Mobile:NEWS 2003年2月20日 04:00 PM 更新

「J-T08」のカメラ画質を試す〜VGA静止画と動画撮影の性能は

J-フォンのQVGA液晶端末「J-T08」は31万画素のCCDカメラを搭載、VGAサイズの静止画や動画の撮影に対応している。オプション販売のケーブルを使ってPCにデータを取り込んで、撮影性能をチェックした

 前回「J-T08」のカメラ機能を試したときは、画質のチェックを「写メール」ベースで行ったため、せっかくのVGA画質やムービー機能について言及できなかった。「J-T08」は、非パケット対応端末なので、撮影したVGA画像や動画は端末の外に出せなかったのだ。

 その後、PCとJ-T08をつなぐTDK製のケーブルを使って直接データを取り込むことができたので(1月20日の記事参照)、再び画質のチェックを行った。

 ケーブルはTDKのサイトから購入できる。シリアル接続とUSB接続が選べるが、今回使ったのはUSBケーブル。実際には携帯電話側のケーブルは同じで、その先にシリアル-USB変換アダプタをつけてUSB接続するという形だ。USB接続の場合はあらかじめドライバをダウンロードしておかねばならない。忘れがちなので注意しよう。

 画像転送ソフトは東芝のサイトから無料でダウンロードできる。

画像転送ソフトの機能は

 PCに転送用のケーブルをつなぐと、ドライバを入れるよう指示されるので、ドライバをダウンロードして解凍しておいたフォルダを指定する。しばらく待てば準備完了だ。

 J-T08をケーブルにつなぎ、転送ソフトを起動する。ここで「読み込み」をクリックして暗証番号を入力すればJ-T08内にある静止画と動画がリストアップされるので転送したいファイルを選ぶ。撮った画像を保存する際、内容が分かる画像名を付けている人はいいが、そうでないと、どれが何の画像なのか分からないので、最初は全部を転送するのがいいだろう。SHIFTキーを押しながらクリックすれば複数の画像を選択できるので、それで全ファイルを選択すればいい。


 転送自体はとても高速なので、それほど待たされることもない。2度目以降は、日時で付けられているファイル名を見ながら、新しいものだけを転送していくのがいいだろう。

 すると転送したファイルがずらっと並び、クリックすると右下に小さくプレビューが表示される。


 ここでファイルをダブルクリックするとフルサイズで閲覧でき、動画をダブルクリックすると再生することが可能だ。


 転送ソフトでできるのは、PCへの画像の転送・閲覧と、J-T08へのファイルの書き込み。非常にシンプルだ。

画質をチェック

 転送ソフトを使って取り込んだ、VGAサイズの写真を4点用意したので見てほしい。


最初の2点。左がりすの置物。右が象のすべり台

 最初はいつものリスの置物。色は、バランスよく出ていてきれい。エッジ強調が強すぎるきらいはあるが、31万画素の固定フォーカスデジカメとしてはなかなか使えるクオリティだ。

 次は、やや逆光の条件が厳しい環境下で撮影した、象のすべり台である。全体に露出アンダーになっていることや、輝度差がはげしい空と木の境目が解像感も色もかなりあやしくなっているのが気になる。やや影になっている滑り台にもノイズが浮いている。光の条件が悪いとフォローしきれないのだ。


左が白熱灯下、右がろうそくの灯りのみで撮影した画像

 室内の白熱灯下で撮影した瓶や缶は、ディテールのざらつきはあるものの色の補正はされているし、全体の雰囲気は悪くない。やや右から光が当たっているため、緑色のニッキ水の色がややオーバー気味だが許容範囲だろう。

 ろうそくの灯りのみで撮影したパターンでは、暗いために自動的に増感され、その分ノイズが増えているし、全体にピントが甘くなっている。しかし被写体の暗さを考えれば、このレベルで抑えられたのは上出来である。

 では最後に動画を。

J-T08で撮影した動画のサンプル(AVIファイル、クリックして再生

 動画はMotionJPEG形式のAVIファイル。PC上では、J-T08用取り込みソフトに用意されたビューワやQuickTimePlayerで再生可能だ。ただし、220×164ピクセルで秒間5コマとかなりカクカクした動きになる。

 なお、端末で閲覧する際には音声付き動画として再生されるが、PCに取り込んだ動画は音声なしでの再生になる

 J-T08は、35万画素のトイカメラや、6〜7年前の35万画素時代のデジカメと遜色ないレベルの撮影ができている点でかなり立派だ。ただし、VGA画質の写真や動画をPCで見るための手順が面倒すぎるのが難点。ケーブルを購入するだけならともかく、ソフトは別途ダウンロードして用意しなければならない。きちんと「J-T08パソコン接続キット」としてパッケージを用意し、画像や映像のみならず、ほかのデータもPCに転送して管理できるようにすべきだと思う。



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関連リンク
▼ J-フォン
▼ 「J-T08」サイト

[荻窪圭, ITmedia]

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