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2003年3月12日 04:21 AM 更新
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CeBIT
ドコモ、「P2102V」でテレビ電話をアピール
ドコモはCeBIT会場に基地局を設置し、FOMAを使ったテレビ電話機能をデモンストレーション。W-CDMAのメリットを集まった欧州のプレスに訴えていた
NTTドコモはCeBIT会場で開催したプレスカンファレンスで、国内で発表したばかりの「FOMA P2102V」を使い、テレビ電話機能のデモンストレーションを行った。
CeBIT会場では申請したブースに2GHz帯が限定的に割り当てられ、FOMAを利用することができる。ただしオランダやニューヨークのように日本と接続した基地局が置かれているわけではなく、通信先は会場内に限られるという。
P2102Vを使ったテレビ電話のデモンストレーション。欧州を中心としたプレス勢にはテレビ電話は相当珍しいようで大人気だった。デモを見た来場者からは、早くも“自分の国でこのサービスを開始してほしい”という声が挙がっていた
現在のところ、FOMAは世界で最も普及しているW-CDMAのネットワーク。ドコモ広報部の日向達担当部長は、「サービスの普及にはネットワークとハンドセット(端末)、アプリケーションの3つが重要」だとし、最新FOMA端末を使ったテレビ電話のデモンストレーションで、欧州に3Gをアピールする。
日向氏によると、ドコモの国際戦略は「W-CDMAを世界中で普及させていくこと。そして、そのプラットフォーム上でiモードを普及させていくこと」。
欧州のiモードユーザー、40万人
現在先行しているのはiモードの国際展開のほうだ。iモードはドイツ、オランダ、ベルギー、フランスで開始されており、間もなくスペインでもスタートする。2月にカンヌで開催された「3GSM Congress」で同社の立川敬二社長が「欧州でのiモード利用者の増加ペースには失望している」と話したと伝えられているが(2月24日の記事参照)、日向氏は欧州でのiモードは順調とする。
「ここ1年で、欧州のiモードは約40万契約となっている。不満な数字だとは思っていない」(日向氏)。
また、具体的な国名は挙げなかったが、今後のiモード展開は「パートナー展開次第で全ヨーロッパに広がっていく」と話した。
FOMAの国際ローミングは、春にチップローミング(UIMカードの差し替えで、海外でも同じ電話番号が利用できるサービス)サービスを開始。海外でも国内と同じ端末を利用できる端末ローミングは2003年秋を目処としている(2002年12月の記事参照)。
しかし端末ローミングの実現には、いくつかハードルがありそうだ。
欧州でもW-CDMA方式の3Gサービスが開始に向け動いているが、そこにFOMA端末を持っていっても現状では利用できない。「FOMAは、早くサービスを始めたために、欧州のW-CDMA方式とバージョンば違う。どこかのタイミングでネットワークをバージョンアップすることを考えている。もちろん、その際、現行の端末との互換性は取っていく」(日向氏)。
ドコモはデュアルモード端末の開発においても、W-CDMAにGSMを加えるよりもPDCを追加するほうを優先しており、海外よりも国内を先に固めるというスタンスだ。反対にJ-フォンの3Gは容易な国際ローミングを特徴としており、「サービス開始が遅れたのは3GPP標準に準拠するため」と話している。
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[斎藤健二, ITmedia]
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