Mobile:NEWS 2003年4月8日 03:28 PM 更新

AirH" PHONEのEメール機能をチェック(2/2)


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電話帳連動のフォルダ分け機能をサポート

 受信したメールは受信フォルダのほか、自動的にフォルダ分けすることも可能。フォルダ分けは電話帳のグループに連動したもので、1つのフォルダに複数のグループを割り当てできる。手動でのフォルダ分けは1件ずつだ。今時のケータイとしては最低限の機能というところだ。

 電話帳連動ということは、つまり送信元アドレスでしか自動フォルダ分けができない。ケータイ同士のメール中心ならともかく、汎用的にEメールが送受信できる端末であるだけに不便だ。メーリングリストなどを読む人も多いと思うので、やはり題名での振分けなどもサポートしてほしい。

メールの自動振分けは、電話帳のどのグループに登録されたメールアドレスからのメールをどのフォルダに振り分けるかを設定するタイプだ。分かりやすいが、例えばメールニュースなどの自動振分けでも送信元アドレスを電話帳に登録し、グループ分けする必要がある

 また新着メールだけを一括表示できないのも辛い。新着メールに最も早くアクセスする手段は、マイメニュー(待受画面から決定キー)からメールアイコンを選択することだが、最後に受信したメールが振り分けられたフォルダに移動してしまうため、フォルダをまたがって連続表示できない。フォルダ一覧では未読の有無が表示されるが、下手に自動振分けを設定していると新着メールを見逃しそうだ。

 メールの閲覧自体はキーアサインも良く快適だ。左右キーで前後のメールに移動でき、上下キーで1行ずつ、メール/メモキーでページ単位でスクロールできる。ページスクロールのおかげで長文メールを読むのも楽だ。少々無理も感じるが、最小のフォントを使えば12文字×13行で1画面で156文字の表示が可能。スタンダードなフォントサイズでは10文字×10行の最大100文字で、閲覧中にフォントサイズを変更することもできる。


左からフォントサイズ小、中、大。小のフォントはお世辞にも綺麗とは言いがたいが、この位の情報量はほしいところだろう。

 一覧は送信時間と送信元又は題名の2行、4段ずつの表示で、左右キーで送信元と題名表示の切換ができる。特に一覧性に優れるといったことはないが、ページ単位でのスクロールも可能で目的のメールを探し出すのもそれほど苦痛ではない。

 検索機能はフォルダ単位となるが、日付、題名(部分一致)、送信元アドレス(部分一致)で、検索結果を一覧表示することもでき、使い勝手は悪くない。例えば送信元アドレスの検索指定では電話帳からメールアドレスを引用して特定の送信元からのメールを一覧するといったことも可能で、一覧と検索に関しては使いやすい仕上がりといえる。


メールの一覧では左右キーで送信元と題名が切り替わって表示される。受信順の表示となり、並べ替えはできない。 一覧性は可もなく不可もなくといったところだ。検索機能では題名、送信元アドレスが部分一致で検索できるので実用性はかなり高い

Eメール機能、実際の使い勝手は?

 まず一口に言ってしまえばやはり普段利用しているアカウントのEメールが送受信できるのは便利。自動受信はH"Eメールのみだが、遅延もなく従来のDDIポケット端末同様ほぼリアルタイムでH"Eメールは受信される。

 ただし通話中やブラウジング中は自動受信は行われず、通話やブラウジングが終了してもすぐには受信が始まらない。自動再送を待つか、新たなメールの受信がないと自動受信は行われず、従来と変わっていない。

 H"Eメールにせよ他のEメールにせよ、どんなに短くても1件の受信に最低1−2秒は掛かり、あまりスピーディという印象は受けない。接続をPIAFS64Kbpsに切り替えてもあまり変化は見られなかったので、端末の処理速度の問題なのだろう。

 送信メールアカウントは基本的に1つという点にも注意がいる。AirH" PHONEセンター利用時とISP利用時で送信メールアカウントは個別に設定できるものの、送信時には選択できない。

 メーリングリストなどの場合はポストできるアカウントが制限されている場合もあるし、返信は受信したメールアカウントで行いたいと思うのが通常だろう。PC/PDAライクな使い勝手を目指すなら、やはり任意のメールアカウントでメールを送信可能とすべきだろう。この点は次機種では改善を望みたい。

このように送信メールアカウントはダイヤルアップ設定の中で指定する。つまり受信は3つのメールアカウントで行えるが、送信は1つのメールアカウントでという基本設計だ。もちろん送信の度に設定を変更すればいいが、かなり面倒な作業になる

現状では転送でもOK。振り分け機能は要改善

 全体で見ると「送受信できるだけ」に留まっている気もする。どのメールアカウントに届いたメールも同じフォルダに収められてしまうのだから、H"Eメールに転送して受信してもいいのだし、この方法なら自動受信もできることになる。

 ブラウザフォンの普及で多くのISPでメール転送が無料サービスになっている以上、単にPOP/SMTPアクセスをサポートするだけではもはや魅力的な端末にはなりえない。もちろんメールの転送が有料であったり、転送自体をサポートしないISPを利用している人にとってはメリットはあるのだろうが、送信メールアカウントが固定されてしまう点も含めると、POP/SMTPをサポートした点を生かしきっていない感がある。

 Eメール機能に関しては少々苦言ばかりになってしまったが、AirH" PHONEというサービスにそれだけ期待が大きい、という点はご理解してほしい。ケータイで最大1万文字というEメールを定額で受信可能なのは本機と「KX-HV210」のみであり、さらに本機にはcHTMLに対応したブラウザが搭載されている。この点だけでも魅力が大きいのは事実なのだ。



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[坪山博貴, ITmedia]

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