PHSと無線LANのコンボカードも検討〜日本通信のロードマップPHSによる定額制つなぎ放題サービスを提供する日本通信のbモバイルが、新たに追加したのが公衆無線LANサービスとのローミングだ。エリアの広さをPHSで、パフォーマンスを公衆無線LANでカバーでき、1つの契約で複数の公衆無線LANサービスを使えることから注目が集まる。 同社が最優先課題として取り組んでいるのが、ローミング先の確保。現在のローミング先となるNTTコムの「ホットスポット」、理経の「BizPortal」、JR東海/NTT MEの「のぞみ停車駅でのトライアル」、JR東日本/日本テレコムの「駅でのインターネット接続実験」、SSCJの「みあこネット」の5事業者700カ所のほかにも国内外の20数社と交渉中。国内のみならず海外でのローミング先確保にも前向きに動いている。 ただしローミング先が増えれば、ユーザビリティやサービス面での複雑化が問題になってくる。日本通信でもこの部分については慎重に進める考え。既に設定面の複雑化は、接続ツール「bアクセス」での一元管理で対応する予定だ(5月8日の記事参照)。 ほかにもローミング先が増えれば、1日で複数の公衆無線LANサービスを使うような場面も予想される。現状ではまだローミング先が少ないこともあって、このような場合でも「1日分」として利用できる。日本通信の福田尚久執行役員は、「今後もどこで使っても『1日は1日』に持っていきたいが、最終決定はしていない」と話す。
日本通信では、PHSと無線LAN通信を1つのカードでまかなえる「コンボカード」の導入も検討中だ。ただし「物理的には簡単だが、使い勝手が向上しないと意味がない」という理由から導入時期は決まっていない。 bモバイルのPHSと公衆無線LANのローミングでは、PHSの通信に同社のデータカードを利用し、無線LANカードはPC内蔵のものか市販のカードを使うようになっている。bアクセス3.0を使うと、PHSの利用可能エリアにいたり、プリセットされた公衆無線LANエリアや自分で設定した自宅やオフィスの無線LAN環境の電波をキャッチすると、アクセスボタンが緑に変わり、使える状態であることを示すようになっている。 こうした使い勝手をコンボカードで実現するには、「PHSをつないだ状態で無線LANの電波をキャッチするのを1枚のカードの中でやらなければならない」(福田氏)。それが技術的に可能かどうかの検証を続けている段階だという。「それが可能にならないと出す意味がない」。 セッションを切らずにIPアドレスを切り替え可能なモバイルIPによるローミングも技術的検証は行っているという。しかし、移動ながらセッションを保ち続けるという利用はデータ通信利用ではそれほどニーズがあるとはいえないため、実証実験や研究に留めている。「将来的に持ち運びできるIPフォンが出て、PHSと無線LANをIP電話として使うサービスが出てきたときには(モバイルIPは)いい」。 まずは(複数のローミング先の)各事業者ごとの設定管理をスマートに行えるようにしたり、ローミング先を拡大させることを優先させる方針だ。
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