Mobile:NEWS 2003年5月22日 05:41 PM 更新

駅のロッカー、鍵は携帯電話で

携帯電話の番号を鍵代わりに──こんな利用方法を提案するのがエックス・キューブだ。ロッカーの施錠を携帯電話で行う仕組みは、単なるロッカーで終わらないサービスの提供につながるという

 「これまでのロッカーは(置きっぱなしの)賽銭箱。携帯電話を鍵にすれば、さまざまな可能性が広がる」──こう話すのはエックス・キューブの山田正一社長。エックス・キューブは携帯電話をロッカーの鍵代わりに使うネットワーク型モバイルロッカーシステム「クロスキューブ」を開発した会社だ。

 クロスキューブは3月14日の新宿東口を皮切りに、東京駅、京王新宿駅と設置場所を拡大、年内には首都圏300カ所の設置を目指す。

電話すると相手に通知される番号で認証

 クロスキューブがロッカーの鍵として使うのは、電話をかけたときに相手先に通知される電話番号。施錠と開錠の際、指定された電話番号に電話をかけることでロッカー側のシステムが認証を行い、開け閉めを管理する仕組みだ。そのため電話番号を非通知に設定している場合は頭に「186」を付けて電話する必要がある。

 クロスキューブの使い方は簡単だ。ロッカーに付いているタッチパネルを押すと、どのロッカーを使うのかを選ぶ画面が現れる。使用するロッカーを選ぶと画面上に電話番号が表示され、ユーザーは携帯電話やPHSからその番号に電話すればいい。


携帯電話だけでなく、クレジットカードやバーコードでも使える。バーコードはプリントされたものが出てくる


ロッカーを選ぶと電話番号が表示されるので、携帯電話やPHSで電話をかける。電話をかけても通話するわけではないので料金はかからない

 開錠の際も、タッチパネルに表示された番号に電話するだけ。施錠の際に荷物を引き取ってもらいたい人の電話番号を入れておけば、本人以外の人物が開錠して荷物をピックアップすることも可能だ。


自分以外の引き取り手を設定して、ほかの人にロッカーの荷物を引き上げてもらうことも。この場合、受取人の電話番号を入力するか、発行された暗証番号を引き取り手に伝えるかのいずれかを選べる

 携帯電話はいつも身につけているため、ロッカーの鍵のように紛失することが少ない。施錠時に携帯電話の番号が分かるため、預けっぱなしの人への連絡も可能だ。「(携帯電話申し込み時に身分証明が必要なため)事件に関わるような使われ方も少なくなるのでは」(山田社長)。赤外線などと異なり、電話の基本機能である「電話をかける行為」を使うため、どのキャリアや端末を選ばない点もメリットになる。

 またロッカーに入れた時間を個別に把握できるため、これまでは一律だった料金も「○時間で○○円」というようにフレキシブルな設定が可能だ。

宅配便や、スーパーなどでも

 クロスキューブの応用例として山田社長が挙げるのが、配達されたものを好きな場所で受け取るという使い方。不在が多くなかなか自宅で受け取れない宅配便の荷物やスーパーに頼んでおいた生鮮品などを、受け取り可能な場所のロッカーを指定して引き取るという使い方だ。  業者側は物理的な鍵を管理する手間が省け、ユーザーは好きな場所、好きな時間に荷物をピックアップできるなど双方にメリットがあると山田氏。既に冷蔵/温蔵可能なロッカーの開発に取り組んでいるという。

 セキュリティ業者や住宅設備関連、電鉄、スーパーなどから引き合いがあり、「7月にはクロスキューブを目にする機会が増えるだろう」。

 大手通信キャリアとの連携によるサービスも企画中で、開いているロッカーの検索や予約、利用状況の把握などが携帯電話で可能になる見込みだ。



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関連リンク
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[後藤祥子, ITmedia]

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