Mobile:NEWS 2003年5月27日 07:49 PM 更新

FOMA/PDCデュアル「N2701」の期待と課題

FOMAのエリアが広がった……といっても、不安を持つユーザーは多いだろう。初のFOMA/PDCデュアル端末「N2701」は、“いざという時”にPDCでの利用を可能にしてくれる

 以前から期待が高かったFOMAとPDCのデュアル端末が6月11日に発売される(5月27日の記事参照)。FOMAのサービスエリアは、関東甲信越地区で97%、全国でも89%に達しているが(2月20日の記事参照)、未だに屋内や地下での利用が厳しいのが現実だ。このデュアル端末「N2701」の登場によって、安心してFOMAを使えるようになる。


 既報のとおり、NEC製の「N2701」はカメラ搭載の「FOMA N2051」(2月12日の記事参照2月13日の記事参照がベースとなっている。FOMAとして見た場合N2051との違いは、表裏に撮影補助用のライトが搭載されたことと、4ミリほど厚みが増加、8グラム重くなった点だ。これまでのFOMAとは違い、伸縮式のアンテナが搭載されているが、これはPDC側で利用するだけでなく、FOMAでも一部利用するという。


機能としては、表裏にライトが付いたのが大きな違いだ

デュアルネットワークサービスを1台の端末で

 「N2701」を検討する際に忘れてはいけないのは、これがデュアルネットワークサービスを1台でまかなえる端末であることだ。FOMAとPDCの切り替えを自動で行える点を除けば、デュアルネットワークサービスの欠点も引き継いでいる(2002年7月の記事参照)。

 デュアルネットワークサービスでは、手動でFOMAとPDCを切り替える必要があったが、N2701には「自動」モードが用意される。これはFOMAエリアならばFOMA、FOMAが圏外の場合はPDCに端末が切り替えてくれるものだ。利用していない側の通信機能は完全に休止するため、バッテリーの持ち時間はシングル端末と変わらない。

 説明員によると、基地局から送られるPDCの信号には“ここがFOMAエリアかどうか”の情報が含まれており、それを受信すると端末がFOMAを立ち上げるのだという。切り替えには1、2秒の時間がかかる。また、FOMA−PDCをまたいでの通話や通信は行えず、いったん切れることになる。

PDCモードでできないこと

 デュアルモード……といっても、FOMAエリア外で504iのように使えるわけではない(2002年7月の記事参照)。PDC(ムーバ)モード時に“できないこと”はたくさんある。

  • メールが自動着信しない
  • iショットが送信できない
  • マイメニュー登録できない
  • iアプリのダウンロードができない
  • 通信を行うiアプリが動作しない
  • メッセージフリーとメッセージリクエストが使えない
  • データ通信が行えない

 最大の課題はメールが自動着信しない点だ。PDCモード時は、iメニューからWebベースでサーバのメールを閲覧する必要がある。さらに、メールに書かれたURLにはアクセスできないため、iショットメールを受信しても写真を閲覧することはできない。

 データ通信については、コネクタがFOMA型のみとなる。当然、iショット送信も行えないため、FOMAエリア内でないと画像を送信できない。

 また、内部ソフトもFOMAをベースとしているため、赤外線通信も504iなどとは完全互換ではない。例えばN2701のアドレス帳は、姓と名前を分けて記録するためアドレスデータをN504iなどに赤外線送信すると姓しか送れないという。


モードの切り替えは、待ち受け画面から「Multi」ボタンの長押しでメニューが出る。中央はFOMAモード時のiメニュー、右はPDCモード時のiメニュー

FOMAモードとPDCモードで異なる料金

 料金も注意が必要だ。N2701は、“1台でデュアルネットワークサービスが使える”という位置づけであるため、申し込み時に手数料1000円がかかるほか(FOMA新規契約ならば無料)、月額300円の利用料がかかる。

 またパケット料金は、現在、どのモードになっているかで変化する。FOMAモードでは、通常0.2円でプランによって0.02円まで安くなるが、PDCモードでは常に0.3円だ。自動切り替えで使っている場合、PDCモードになっていることに気づかずに使っていると数倍のパケット料金が発生してしまう可能性もある。

 問題点はいくつかあるが、N2701はFOMAユーザーが待ち望んでいた端末であることは間違いないだろう。ドコモによると、現在デュアルネットワークサービスを利用しているユーザーはFOMA契約の5割弱。こうしたユーザーにとって、2台が1台にまとまり、かつモードが自動的に変更されることのメリットは大きい。

 FOMAが普及の兆しを見せる中で、購入を検討しながらもエリア面で不安を持っているユーザーにも最適な選択肢となるだろう。

 FOMAエリアは全国でも着実に広がっており、デュアルモード端末は過渡的なものだと見ることもできる。ただし、ドコモは今後のデュアル端末の開発を否定しない。「まずはN2701の様子を見て。別のニーズも出てくるかもしれない」(ドコモ)。



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関連リンク
▼ ドコモ ニュースリリース
▼ ドコモ

[斎藤健二, ITmedia]

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