Mobile:NEWS 2003年6月2日 01:01 PM 更新

薄く軽く安いiPAQ Pocket PCの入門機
「h1920」を試す(2/2)


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カタログスペックはローエンドだが、実用性は問題なし

 h1920は、CPUにIntel PXA255/200MHzを採用している。これは、最近のPocket PCの主流であるIntel PXA255/400MHzから見れば半分の動作クロックだ。なお米国で販売されているh1910はPXA250となっているので、マイナーチェンジ製品が投入されるようだ。


CPUはPXA255/200MHz。米国などで販売中のH1900シリーズは記事執筆時点ではまだPXA250となっている

 もっともPXA250/400MHz採用製品を200MHz動作させた場合がそうであるように、PIMを利用している限り処理速度が遅く感じられることはまずない。またWindoes Media 9のPDA向けプロファイルで作成した250Kbpsの動画を、SDカード上において再生させてもフルスクリーンを含めてストレスは感じなかった。実際、PXA250/400MHzでも同じ動画ファイルの再生がスムーズではない製品も存在するので、I/O周りも含めてうまくチューニングされているのだろう。

 バッテリーは本体に合わせた小型の専用品であり、着脱式で900mAhものが使われている。H54xx/H39xxシリーズの1250/1400mAhと比較すると4分の3から5分の3程度の容量であり、CPUの動作クロックが半分とはいえ少々頼りなく思える。なおバッテリーは追加購入も可能だが、H54xx用と異なりバッテリー単体で充電可能とするようなアダプタは付属せず、本体で充電することになる。


バッテリーは板状でカバーとは別体。H54xxシリーズのものと形状は似ているが、サイズも容量も異なる。予備を持ち歩くのも容易なサイズだ

 バックライトを消灯した状態でSDカード上のMP3ファイルを1時間連続再生させた場合のバッテリー残量は90%であった。バッテリー残量10%まで再生したとして約9時間は再生が行える計算だ。

 次にバックライトを最も暗い状態で点灯させ続け(日中の屋外でない限りこれで十分だ)、SDカード上の約37Mバイト/250KbpsのWindowsMediaVideoファイルを1時間連続再生させると、バッテリー残量は85%であった。こちらもバッテリー残量10%まで再生するとして、約6時間は再生できることになる


左がMP3、右がWindows Media Videoを1時間再生させたあとのバッテリー残量。なおこの画面にある「バックライトを切る」は「電源を切る」の間違いのようだ

 これなら往復の通勤で2時間、お昼休みに1時間マルチメディアプレイヤーとしてかなりヘビーに利用しても、残りの時間をPIM中心に使うなら丸1日は十分バッテリーが持つことになる。バッテリー動作時間に関しては特に問題はなさそうだ。

新潮流のPocket PC搭載機

 「価格」という点を除くとh1920の最大の特徴はコンパクトで軽量なことだろう。重さは120グラムと、今時の多機能携帯電話と変わらない重さ。胸ポケットなどに放り込んで持ち歩く人には大きな魅力だ。


Pocket PCのスタンダードサイズである初代iPAQ Pocket PCと比較すると、一回りコンパクトなのが分かる。これまでのiPAQ Pocket PCが手のひらサイズなら、H1920は手のひらにすっぽり収まるサイズという印象。実際に持ってみるとその差は大きく感じるはずだ


厚みの違いも手に取ると格段に大きく感じる


こうして見ると、今時のカメラ付ケータイとも大してサイズは変わらない。左のP2102Vは133グラムだから、重量はh1920の方が軽いくらいなのだ

 また、コンパクトながら画面サイズは3.5インチが確保されている。現在のPocket PCの主流は3.8〜4インチクラスだが、東芝の初代GENIO eや富士通のPocket LOOXが3.5インチだ。画面サイズのスケールダウンは最小限に留められており、文字の視認性についても問題ない。

モバイルインターネット接続が不要なら買いの製品

 本製品は拡張性には乏しいが、ベーシックなPIM機能や音楽/動画再生に利用するにはとても魅力的だ。低価格でありながら高級感のあるデザインで、所有する満足感も高いはずだ。

 ただしh1920は、現状では単体でモバイルでインターネット接続する手段がほとんどないことには注意が必要。これまでのiPAQ Pocket PCシリーズでは、PC/CFカードスロット、Bluetooth、もしくはジャケットの機能でインターネット接続するのがほとんどだ。筆者のように「PDA=モバイルインターネット端末」という利用スタイルの場合、ジャケットが使えず、BluetoothやCFカードロットを持たないh1920は選択肢から外れることになる。

 唯一赤外線ポートを利用する手は残されている。現在でもNTTドコモのiモード端末(PDC)に接続して赤外線モデムとしての利用を可能にする製品として、サン電子の「Ir-Trinity」があり、9600bpsでの回線交換、DoPaでのパケット通信が利用できる。PIAFSにも対応しているが、利用できるのはドッチーモのみなので実用性は極めて低いだろう。

 さらにドコモのPDCでの回線交換/パケット通信共に、通信料金の面からコストパフォーマンスに優れるとは言いがたい。国内でのモバイルインターネット接続手段はPHSベースが主流であり、AirH"や@FreeDといった使い放題も可能なサービスが利用できないのは痛いところ。また赤外線モデムを利用する場合でも、机上において通信することになり、スマートとは言いがたい。

 海外ではGSM端末を中心に赤外線モデム機能を持つ携帯電話は多く、日本よりも不便を感じないのかもしれない。せめてSDスロットがSD/IO対応であれば、AirH"やBluetoothアダプタ経由という選択肢が残るのだが、公式にはSDスロットはストレージ専用となっているのだ。

 もっともHPから見ればターゲット層が違うのだろう。PIM利用を中心に、Windowsとの親和性の高さを活用してPC上のデータを持ち出すための製品に位置づけていると思える。つまり典型的なPCコンパニオン的な利用だ。本製品は2万4800円台と安価で、Palmデバイスに対しても十分な競争力を持てる。PIMとしての使い勝手はPalmに依然アドバンテージがあると思うが、Windowsとの親和性は本製品の方が格段に上だ。

 また、この価格とこのコンパクトさであればマルチメディアプレイヤーとしても魅力的だ。SDカードに追加投資が必要だし、シリコンオーディオプレイヤーやポータブルビデオプレイヤーと比較すればサイズは大きいが、PCコンパニオンとしての付加価値まで考慮すればニーズはあるだろう。

 iPAQ Pocket PCの場合、製品は米国発となり、この点で日本のモバイル通信事情を最優先できないのは理解できる。そもそも日本のモバイル通信事情が特殊なのだ。日本HPには是非サードパーティなどに働きかけるなど、PHSベースでインターネット接続可能となるアダプタやケーブルを準備してほしい。少なくともリテール市場での評価や売り上げには大いに貢献するはずだ。



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[坪山博貴, ITmedia]

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