Mobile:NEWS 2003年6月6日 01:31 AM 更新

「ケータイポストペット」の先に見えるもの

「これまで人気の携帯コンテンツは携帯電話に何ができるかだった。これからは携帯で何をするかだ」──「ケータイポストペット」はこう語る開発陣によって生み出された。

 携帯電話向けコンテンツとして常に高い人気を誇っているのが「着メロ」と「待ち受け」。携帯電話の機能が高度になり、リッチなコンテンツを作れるようになった今、「次にブレイクするのがどんなコンテンツなのか」は、どのコンテンツプロバイダも常に模索している部分でもある。

 そんな中登場したのが、ペットのお世話とメール機能を併せ持つソニーコミュニケーションネットワーク(SCN)の「ケータイポストペット」。リッチになったJavaの機能をフルに生かしたソフトとして注目されるが、「今後ユーザーに望まれるコンテンツは何か」を考える上でのヒントになり得るコンテンツでもあるようだ。


(C) 1996-2003 Sony Communication Network Corporation.

携帯コンテンツは「携帯を飾る」から「個人の支援」へ

 「ユーザーはどんなコンテンツを望んでいるのか。これからは、個人の支援ツールのようなものがいいのではないか」──こう話すのは、SCNコンテンツサービスディビジョンモバイル開発セクションの須藤朗マネージャー。

 これまで不動の人気を誇る「着メロ」「待ち受け」といったコンテンツは、いつも持ち歩く携帯電話を自分好みにカスタマイズするためのもので、「携帯電話をどうするか」という方向にふられていた。その先にあるのは「どう使うか」だというのが須藤氏の考え。「今後は、機能に近いものが有効になっていくのでは」(須藤氏)。

 例えばGPS機能の付いた携帯電話でも、位置が分かるだけではない機能を提供できる。毎日散歩する人に、ちょっと違う道を提案するといったようなことだ。こうした「個人の生活をアシストする」ツールのようなコンテンツが今後求められる。

 現在、携帯電話で通話と共に利用頻度が高いのがメールの送受信。人と人とのコミュニケーションを行う部分で、須藤氏が注目するのもこの部分だ。コミュニケーションをアシストする「何か」を考えたときに、不特定多数とのコミュニケーションを取り持つのは通信キャリアの公式コンテンツでは難しく、一般サイトで展開するにも仕掛けとしては大がかりなものにならざるを得ない。必要とは思いながらも踏み切れない部分でもあるようだ。

 「ケータイポストペット」は、今できるコミュニケーション支援の完成形だと須藤氏。3D機能の進化やネイティブアプリとの連携など新機能が可能にしたものだと語られることが多いが、携帯コンテンツの今後を睨んだ最初の一歩となるソフトだ。

携帯ならではをどうするか

 もともとはパソコン向けメールソフトとして開発された「ポストペット」。その世界を受け継ぎながら「携帯ならでは」を打ち出すために、さまざまな工夫も持ち込まれている。

 携帯ならではの特徴として挙げられるのが(1)メールの送受信数によって進化する部屋(2)毎月入れ替えてカスタマイズできるペットの世話メニュー など。

 部屋の進化は、コミュニケーションすればするほど、ペットと一緒に部屋も育つ、という新しい要素を取り入れた機能。毎月新しい世話の項目を提供し、ユーザーがカスタマイズできるようにしたのは、パソコン版と異なり月額料金を支払う仕組みのため、それに見合うサービスを──という理由からだ。


引っ越し直後のように雑然とした部屋が、メールの送受信が増えるにつれて、きれいな部屋に──このように部屋が進化するのだ

 今後の発展性としては「ポストペットの世界に関連したアプリ間でデータをやりとりする」(Online Interactive Entertainment Div.制作チームの稲垣竜一郎氏)といった、アプリ間連携(4月18日の記事参照)を生かした方向も検討しているという。

 なお、ケータイポストペットではマルチプラットフォーム展開をポリシーとしている。通信ポートを持つプラットフォームには積極的に展開を検討したい、と稲垣氏。

 auに採用されているBREW版もネイティブアプリとの連携が可能であり実現できそうだが、現段階ではメールに関するAPIが開放されていないため対応が難しいという。「現状でやるとしたら、POPやSMTPを使ってPCのメールアドレスでやりとりすることになる。PCのメールアドレスを持っていない携帯電話ユーザーが多い中、本当に使ってもらいたい人に届かない」。こうした問題が解決されれば開発の可能性もありそうだ。



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[後藤祥子, ITmedia]

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