BREW端末46万台、着うた端末は200万台〜KDDIの小野寺氏auが「3Gならではのサービス」として打ち出した着うたやBREWが好調だ。これらが新しい市場開拓につながると小野寺氏はいう。デザインコンセプトモデルの商品化を実際に進めている、という話しも飛び出した。
KDDIの小野寺正社長がWIRELESS JAPAN 2003のカンファレンスに登場、3G端末向けサービスの現状と、今後の進化の方向性について語った。auの3Gサービス「CDMA2000 1x」は6月末時点で約860万加入に達するなど好調に推移(7月7日の記事参照)。3G端末向けに展開する「着うた」や「BREW」などのサービスも、新しい市場形成につながると自信を見せた。
![]() KDDIの小野寺正社長
小野寺氏は着うたについて、「年間(売り上げ)50〜60億円もすぐではないか」と好調さをアピール。対応端末200万台、対応サイト10サイト(いずれも5月時点)、2002年から2003年までの6カ月間の売り上げが約7.2億円という数字も明らかにした。
着うたの登場が着メロの売り上げに響いていないことから、新しいマーケットを創造できたと小野寺氏は見ている。「着信メロディでは作曲者にしか入らなかった著作権料が、着うたではレコード会社にも入るようになった。コンテンツプロバイダにとってのメリットも大きい」 auが対応端末のラインアップを強化しているムービーについても、着うたや着メロのようにムービーを設定する「着ムービー」が新しい流れを作りつつあると言い、「今までとは違う世界を作れるのではないか」と期待を寄せる。「CMを着ムービーにして、コンテンツ料を無料にするような、広告を含む新しい市場がつくれる」 2月からダウンロード可能なアプリの提供が始まったBREWは、5月末時点で稼働台数が46万台、ダウンロードはトータルで60万を数える。BREW対応端末の年間目標販売数が700万であることから「普及はこれから」の感があるが、コミュニケーションやビジネス用途などで「新しい用途が見つかりそうだ」と小野寺氏は強気。BREWではアプリとOSが切り離され、後から必要なアプリを追加できるため、「イントラネットと相性がいい特定アプリを開発できる」。端末を作り変える必要なく、「その会社だけで使える端末」にできるメリットを生かしたい考えだ。
auの3G戦略は、「サービスが先にあってプラットフォームが付いてくる」という考えに基づいており、今後の進化も1)カメラと通信の融合 2)位置情報の活用 3)財布、定期替わり という3つの流れが基本になる。 中でも位置情報については、カーナビを携帯で実現するイメージの、音声ナビゲーション付きeznavigationを本年にも提供予定だ。移動に伴って地図を自動スクロールし、曲がるポイントなどは音声ガイダンスで知らせるものだ。「これまでサーバ側でやっていたことを端末側でやる、マンナビといわれるもの」。
また近い将来、Global Passportが非音声サービスでも国際ローミングできるよう開発を進めているという。CDMA圏だけでは限界がある端末ローミングも、CDMAとGSMのデュアル端末でより広範な国をカバーできると見ている。「GSMとCDMAのデュアル端末が近い将来実現するのは間違いない。W-CDMAにいかなくても、国際ローミングは十分実現できる」。さらに、代替としてのチップローミングもあるが、常に使っている端末そのものを持ち出せる端末ローミングがメインではないかと言う(2001年11月1日の記事参照)。
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