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2003年7月22日 04:23 PM 更新
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ケータイカメラ画質研究ラボ
32万画素CMOSカメラの「N505i」(1/2)
505iシリーズで、メガピクセルクラスカメラの搭載を見送ったのが「N505i」と「P505i」。ひと足先に登場した32万画素CMOSカメラ搭載のN505iについて、画質をチェックした。
505iシリーズは多くがメガピクセルケータイに突入しているが、「N505i」(7月1日の記事参照)はVGA止まり。ウリはサラウンド機能付きステレオスピーカーで、カメラ自体は32万画素CMOSときわめてオーソドックス。デジカメとしての用途はあまり重視してない設計だ。504iSに続いて磁石でくっつくタイプのマクロ撮影用レンズが同梱され、超近接撮影が行える。
miniSDカード対応ながら扱いにくいのが難点
基本デザインはN504iなどほかのNEC製端末を踏襲した、右上にカメラがあるオーソドックスなもの。側面にあるカメラボタンの長押しか、メニューをたどっていくことでカメラ機能がオンになる。
カメラ機能は静止画と動画と、連続撮影(ただし、iショット(S)かQVGA解像度時のみ)とシンプルな構成だ。
静止画モードで起動すると、自動的にデフォルトの「iショット(L)」サイズになる。こちらはVGAで撮りたいのだが、撮影サイズは覚えておいてくれないらしい。マニュアルを見たが起動時の撮影サイズをVGAにする方法は分からなかった。残念である。ここでメニューからVGAにサイズ変更して準備完了。液晶モニタは2.4インチのQVGAでなかなか見やすい。
ここまでは何の問題もないのだが、この先の作業でちょっとやられた。撮影すると、それを登録する(保存する)のだが、miniSDカードに記録しようと思うと、えらく面倒な手続きが必要になるのだ。
まず「本体先登録」でminiSDを選択。「タイトルが登録されません」とアラートが出るので「OK」をクリックする。これは、内蔵メモリだと撮影日時がファイル名になるのだが、miniSDカードへの記録はDCF準拠になるのでそういうファイル名にはなりませんよ、という意味だ。miniSD処理中の画面がちょっと出たあと、「フォルダ選択」で「100NECDT」を選択。さらにもう一度「フォルダ選択」を聞かれるので「デフォルト」を選択。いよいよ保存かと思ったら、次は「コピー先情報」画面が出て、ファイル名などの確認をさせられる。ここでボタンを押すとさらに「コピーしますか?」と聞かれるので、もちろん「YES」を選ぶ。
なんと、撮った写真をminiSDへ記録するにはこれだけのステップが必要になるのだ。信じられないことである。
これが面倒だと思えば、内蔵メモリに記録すればいい。もっと簡単に済ますには、「自動登録機能」をオンにすればいい。そうすれば、撮影するだけで自動的に内蔵メモリに記録されるので、シャッターを切るだけでいい。ただし自動登録ではminiSDへの記録ができないので注意が必要だ。
ちなみに、内蔵メモリに記録した写真をminiSDカードにコピーするときも同じだけのステップが必要になる。しかも写真1枚1枚に対してそれを行わねばならない(写真の全件まとめてコピーは不可)のだ。
写真をminiSDカードに記録して、あとでパソコンに転送してみよう──などと思っている人は要注意である。
撮った写真を内蔵メモリに記録するのはすごく簡単でさくさくできるが、miniSDに記録したり、内蔵メモリからminiSDへ転送しようと思ったとたん、作業が面倒になるのだ。
N505i、miniSDカード周りの不思議な仕様
N505iの仕様でひとつ疑問なのは、miniSDカードへの記録でフォルダ選択を2回させられることだ。
写真をminiSDカードに記録する際、DCIMフォルダの下に「100NECDT」(先頭の3桁の数字は増やすこともできる)フォルダを作ってそこに保存する。フォルダ名がわかりづらいのは、デジカメ画像格納の標準形式としてJEITAが定めた「DCF」という規格にのっとっているからだ。
だが、N505iは「100NECDT」の下にさらにフォルダを作ってそこに写真を格納することを許しているのである。そのためにフォルダ選択が2回出てくる。
しかし、DCFの規格書を見る限り、画像は「DCIM」の直下のフォルダ(DCFディレクトリ)に入れるよう定義されている。ダメとは書いてないのでディレクトリをいくつ作ってもいいが、原則として画像ファイルはDCIMの下のDCFディレクトリに入れるべきなのだ。なぜなら、そうでない場合は──つまり、100NECDTフォルダの下にさらにフォルダを作ってそこに格納された画像は「DCFファイルとはみなされない」(DCF準拠の画像ファイルではない)と規格書に明記されているからである。
なぜわざわざそんな不便な仕様にしたのかがナゾである。DCF準拠にするつもりがないのなら、わざわざこんな分かりづらいフォルダ構造にする必要もないからだ。他の外部記録メディア対応カメラ付ケータイはすべて、静止画はDCF準拠。動画は独自仕様(あるいはキャリアが定めた格納方法)になっていただけに、ちょっと驚いた。
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CMOSセンサーにしてはなかなかの画質、しかしレンズは……
N505iのカメラは32万画素のCMOSセンサーである。まず、象のすべり台を撮影した。
左がノーマル撮影、右が輪郭強調
色は悪くない。CMOSなので色が浅めであっさりしているが、青も赤も黄色も緑もしっかり出ている。ただ、四隅の画像の乱れがかなりひどいのが残念。回転フィルタをかけたように円状に流れている。
次は輪郭強調をオフにした場合だ。これはメニューから「輪郭強調」をオフにした場合。どのカメラ付きケータイも解像感のなさを補うためにやや強めに輪郭強調をかけているが、N505iはそれをオフにできるのだ。するとこのようにちょっとぼやけた感じになる。もともと派手な輪郭強調はかけてないのでちょっと見た感じでは差はわかりづらいが、よく見ると確かに輪郭強調をオンにしたものの方がディテールがくっきりしている。
これはこれで悪くない。人物をソフトフォーカス気味に撮りたいときや、輪郭強調のせいで不自然になったときに使える。
[荻窪圭, ITmedia]
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