Mobile:NEWS 2003年7月22日 04:23 PM 更新

ケータイカメラ画質研究ラボ
32万画素CMOSカメラの「N505i」(2/2)


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 さらにコントラストを変えて撮ってみる。

コントラスト-2と+2の比較

 これはコントラストを-2にしたものと+2にしたものだ。N505iはカメラ付きケータイとしては珍しく、コントラストの調整ができる。それも±2段階なので合計5段階とけっこう細かく調整できるのだ。その表現が「濃い」「淡い」になっているのは不思議な日本語感覚だが、-2にしたものは確かにコントラストが弱くてどよんとした絵になっているし、+2にしたものは明るいところが白トビしている もののメリハリがある絵になっている。

普通、コントラストは「強い」「弱い」、「上げる」「下げる」、「高い」「低い」などいろんな言葉で強弱を表現できるが、「濃い」「淡い」は普通色に対する言葉でコントラストで使った例は初めて見た

 どれがいいかは好みによるが、晴天下でもともとコントラストが強く、すぐ明るいところが白くトんでしまう構図ではコントラストを下げて撮るなどの手は考えられるし、曇天下のようにもともとコントラストが弱い構図ではコントラストを上げて撮ることでメリハリをつけることができる。ちょっと面白い機能である。CMOSはCCDに比べてダイナミックレンジが狭いのでこういう工夫があってもいいかもしれない。

 なお、コントラストや輪郭強調という機能はあるが、それ以外には明るさ補正(露出補正)があるくらいで、それ以外の撮影機能(ホワイトバランスなど)はない。

 ではもう一点。

左はN505iで撮影、右はP2102Vで撮影

 こういう写真を撮ると、レンズの性能が露骨に出てしまう。大きく湾曲して写ってしまっているのだ。N505iで人物を撮るときは、顔が画面の端にこないようなフレーミングを勧める。

 ちなみに手元にあった同じ30万画素クラスのCMOSを搭載したP2102Vでも撮ってみたが、ここまで歪みはしなかった。N505iのはちょっとひどいのだ。

室内撮影ではなかなか優秀な結果

 室内の蛍光灯下と白熱灯下での撮影画質を見てみよう。

左が蛍光灯下、右が白熱灯下で撮影

 蛍光灯下では、やや緑かぶりは見られるしシャープさにもかけるがなかなか使える写りだ。CMOSとはいえもうちょっと鮮やかだとうれしかったが、無理をいってはいけないだろうという感じ。

 なお、蛍光灯の下で液晶モニタで見ている画像がちらつく場合は(フリッカーという)、画像チューニングという項目で50Hzと60Hzを切り替えることで対処できる。蛍光灯はその地域の電気が50Hzか60Hzかで瞬きの周期が変わるので、それをN505i側が地域の周波数に合わせてやることでフリッカーをなくすのだ。これもユニークな機能だが、「画像チューニング」という項目名と結びつけるのは難しい。素直に「フリッカー除去」や「ちらつき低減」という項目名でよかったと思う。前述したコントラストの表現と合わせて、ちょっと不思議な日本語感覚に思える。

 白熱灯下では、やや色がくすみがちでコントラストも弱いが(ちなみにコントラストは標準で撮影している)、出るべき色は出ていて悪くない。こういう室内のシチュエーションではコントラストを高めにセットするとよさそうだ。白トビさえ気にならないなら、いっそのこと常時コントラストを+1にしてもいいかもしれない。

 もうひとつ、メガピクセルケータイに比べると、VGAにおさえているだけあってけっこう近いところまでピントが合う。気軽に使えてよい点だ。

 さらに暗いところでの撮影を3点。

左からノーマル、ライトを点灯させてノーマル、暗闇撮影モードで撮影

 N505iは無理に増感しない仕様になっていて、ろうそくだけの明かりではこのようにかなり暗く写ってしまう。ライトを照らすとライトの色がろうそくに対して青いのでやや青みがかるが、この距離ならいい感じでライトの効果がでる。暗闇撮影モードを使うとかなり増感されるため、暗いところまで写るが、その分CMOS独特のノイズが多い絵になってしまった。


ライトを点灯してノーマル撮影、コントラストは-2

 これはノーマル+ライトで、なおかつコントラストを-2に下げて撮ったもの。ハイライト部と暗部がちょっと抑えられて、より広い範囲の色が移っている。こういう強く明るい被写体がいるときはコントラストを下げると効果的という例だ。

 最後にNECならではの、磁石でくっつけるマクロ撮影用レンズを使った写真を見てみよう。


マクロ撮影用レンズを付けて撮影

 ここまで拡大して近寄って撮れるのだ。これはすごい。


本体に付属するマクロ撮影用レンズ

動画はMP4形式のMPEG4

 N505iは動画機能も持っている。動画のフォーマットはF505iと同じくMPEG4。MPEG4標準フォーマットの「mp4」形式を使っており、QuickTimeをインストールしてあればQuickTimePlayerでそのまま再生できる。

動画のサンプル(MP4ファイル、クリックしてダウンロード。要アップル「QuickTime Player」

 撮影サイズはLサイズで176×144ピクセルで秒7.5コマ。F505iと比べるとやや小さくて動きが粗い。でも標準的な仕様でPCでも扱いやすいのはいいことだ。

 ただ、miniSDカードに記録するときは静止画と同様に面倒なステップが必要になる。

 このようにN505iはminiSDカードに対応しながら、静止画や動画を記録するのが非常に面倒なことが一番の難点。画質もレンズの品質がちょっと気になる。よってカメラ機能自体は悪くないものの、ケータイ内でのお遊びが中心で、デジカメ的に使ったりPCに写真を持っていって見たりするにはあまり向かないというのがN505iのカメラ機能に対する結論だ。



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[荻窪圭, ITmedia]

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