ユーザーの意識は“料金”に向いている?「最近、家族割引やら無料通話繰り越しやら、料金関係のテレビCMが多い」──。そう感じる人も多いだろう。J-フォンが1999年から行っている、調査を見ると、このところユーザーは“料金”を重視していることが見えてくる。
「最近、家族割引やら無料通話繰り越しやら、料金関係のテレビCMが多い」──そんなふうに感じたことはないだろうか。J-フォンが9月18日にWPC EXPO 2003の講演で明かした社内調査の結果を見ると、この理由が見えてくる。
J-フォンのダリル・E・グリーン社長が示した、「主要キードライバーのトレンド」。1999年春から、ユーザーが評価する携帯機能をまとめてある 1998年当時、ユーザーが圧倒的に重視したのは「通話品質」だった。当時はサービスエリアもまだ十分ではないうえ、急激に増加するユーザー数に設備が追いつかず、“通話が切れる”のが当たり前だった。 「つながる。しかも、いい音で」という藤原紀香さんを使ったCMを覚えている人も多いだろう。ユーザーのニーズが通話品質だったところに、他社に比べて回線に余裕があったJ-フォンは、このCMでかなりシェアを伸ばした。 その後、通話品質のニーズが急激に下がる代わりに、徐々に伸びてきたのが「ハンドセット」(端末)への要求だ。「利便性。液晶はきれいか、インタフェースは? そうした要素が重要」だとグリーン氏は話す。 これは、ちょうどJ-フォンがカメラ付き端末を投入した時期に重なる。2001年から2002年にかけて、藤原紀香さんと酒井若菜さんを起用した写メールのCMが懐かしい。 そして2002年に入って、急速に重要性を増したのは「料金」だ。2003年5月の調査では、ハンドセットや通話品質を抜いて1位になっている。テレビCMも、写メールからVodafone告知を経て、最近は料金面をアピールするものに。
J-フォンのWebページにある「CM Gallery」。端末のゲーム機能やプリペイド、Vodafone告知もあるが、半数は料金に関するもの ユーザーが重視する項目と、広告宣伝が密接にリンクしていのが、これらの資料から見て取れる。そして機能やサービスの強化も、この軸と連携している。
J-フォンの資料で面白いのは、Eメールが2002年11月に、インターネットが2002年6月にピークをつけて以来、重要度が減少していることだ。 ただしグリーン氏は、このことからEメールやインターネットが不要であるとは考えていない。「本当は(重要度)がもっと上がってもいいが、料金体系によって止められている。安ければもっと増える」 Eメールやインターネットへのニーズが減少し、代わりに料金の重要性が増していることは、“料金が高いから使わない”ユーザーが増えているという認識だ。 戦略としては3G(W-CDMA)の導入によって、「与えられている電波が増えるだけでなく、有効活用でき、1パケット当たりのコストを下げられる」(グリーン氏)ことを狙う。
J-フォンの周波数割り当て。2G(PDC)では他社に比べて非常に少ないが3Gでは同じ土俵で勝負できるとグリーン氏は見ている 3Gによって、秒数の長いムービー写メールやメガピクセルカメラで撮影した写真も送れるといったサービスを追加。現在重要度が下がっているEメールやインターネットのニーズを増やすと共に、重要性の上がっている料金問題にも対処する。 ユーザーニーズのトレンドに沿って、マーケティングからサービス展開まで行ってきたJ-フォン。Vodafoneに変わって最初の展開は、3Gの早期導入によってユーザーニーズに応える──というものになりそうだ。
関連記事 Vodafoneへの道〜J-フォンロードマップ J-フォンがメールやWebも利用できる3Gサービスを、ついに開始する。ブランドやサービス名もボーダフォンに変更し、名実共にボーダフォン体制での3G展開となる。これまでのVodafoneのあらましと、J-フォンのボーダフォン化への道程をまとめた。 携帯所有、満足度トップはJ-フォン キャリア別の満足度調査によると、トップはボーダフォン(J-フォン)、ドコモは4位だった。テレビCMに関する好感度でも、トップはボーダフォンだった。 「Vodafone」へのブランド移行、真の狙いは 2003年10月、ついに「J-フォン」は「Vodafone」になる。「グループ全体で同じ端末を使える」ことを目標に第一歩を踏み出した 関連リンク J-フォン CM Gallery [斎藤健二, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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