Mobile:NEWS 2003年11月18日 11:30 PM 更新

「定額は、あまりいいものではない」 〜ボーダフォン、グリーン社長

ボーダフォンは決算の数字こそ堅調なものの、純増シェアの伸び悩みや3Gサービスインの遅れなど、今後の課題も多い。グリーン社長は魅力的な端末投入や、世界標準に準拠した3Gサービスで巻き返しを図りたい考え。

 ボーダフォンは11月18日、2003年度中間期の決算発表を行った。会場ではボーダフォンのダリル・E・グリーン社長が、事業の手ごたえや今後の戦略を話した。


ボーダフォンのグリーン社長

 決算を見ると、前年同期比6.2%増の7560億円を売り上げ、1220億円の経常利益を計上。当期純利益でも700億円の黒字となっており、堅調な業績を残した。

 ただし、不安な点もある。昨年1年間で20%を下回ったことがなかった純増シェアが、2003年度の第2四半期で11.0%と、かなり低い数値を示したことがその一つ。グリーン社長も、ユーザーに魅力的な端末を提示できなかったことを認め、「上半期はメガピクセル(カメラ対応端末)以外、寂しかったかな」と率直な感想を述べる。

 もっとも今後は、200万画素カメラ搭載端末「V601SH」(10月16日の記事参照)や、TVチューナー搭載端末「V601N」(10月15日の記事参照)などがリリースされる。また、3G端末も3製品を投入することが明かされた(関連記事参照)。特に3G端末には、グリーン氏も大きな期待を寄せており、「3Gを使って、本当に革新的なサービスを出していきたい」(11月14日の記事参照)と強調する。


決算の席上、Vodafone Global Standardのラインアップとして紹介された3端末

 会場からは、競合他社より3Gのサービスインが遅れたことを指摘し、巻き返せるのか問う声も上がった。しかしグリーン氏は、「私は非常に誇りに思っていることがある。それは、ボーダフォンの端末が3GPP標準であるということだ」とコメント。

 海外に端末を持っていっても、国内同様に使用できるメリットを強調し(11月13日の記事参照)、十分差別化を図れるとした。「3GPP標準を守るために、時間がかかったのは仕方がない」(同氏)。

定額制は追随せず

 会場ではまた、KDDIが定額制サービスを打ち出してきた(記事参照)ことに対し、追随する考えはあるかという質問も飛んだ。

 グリーン氏は、「私はインターネットの社会で、定額制を経験しているが……あまりいいものではないと思う」と明言。

 同氏が主張するのは、「価格ばかりの競争は、おもしろくない」ということ。前述のような新端末によって魅力的なサービスを提供し、差別化を図りたいとした。



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[杉浦正武, ITmedia]

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