Mobile:NEWS 2003年12月2日 02:19 PM 更新

携帯ショッピングの現状と可能性(2)
携帯ショッピングの売れ筋商品は?

「年間100万円以上買い物するユーザーも珍しくない」という声も聞かれる携帯ショッピング市場。携帯電話の小さなディスプレイの中では、どのようなプレゼンテーションが行われ、どのような商品が購入されているのだろう。

 「物を売るなら、商品のディスプレイ方法やプレゼンテーションが重要」──というのは昔からいわれ続けていること。携帯電話の小さなディスプレイの中では、どのようなプレゼンテーションが行われ、どのような商品が購入されているのだろう。

「PCが売れるのにテレビは売れない」そのわけは

 9月16日にiモード公式サイトとなった、家電製品の携帯ショッピングサイト「ビックカメラ.com」。iモード公式サイト前のいわゆる“一般サイト”当時は、ゲームソフトやDVDソフトなどの比較的単価が低く、商品を見なくても選びやすい商品が売れ筋だった。しかしiモード公式サイト登録後は女性の顧客が増え、理美容家電やデジタルカメラなどの注文も増えたという。

 とはいえ、PC版ショッピングサイトで売れている液晶テレビやプラズマテレビ、洗濯機や冷蔵庫などの需要はまだまだの状況。こうした製品は買うだけで済まない場合も多く、設置に関する説明も必要になるからだ。「設置工事に関する説明などを、携帯サイト上でもっと分かりやすくしていく必要がある」(ビックビックドットコムの今原義記主任)。こうした部分が携帯サイトにおけるプレゼンテーションの難しさを物語っている。

ユーザーとの信頼関係を築ければ、何でも売れる

 一方、「今や携帯電話で何でも売れる」と話すのは、「ケータイ版楽天市場」の楽天、20−30代の女性層をメインターゲットにした携帯ショッピングサイト「girlswalker.com」を運営するゼイヴェルや「ちびギャザ」のネットプライスだ。

 携帯版サイトの売れ筋商品は、女性向けのファッショングッズや美容・コスメ関連製品、アクセサリー・雑貨など、女性が“自分へのご褒美”を目的に購入する商品群で、1万円以下のもの。雑誌やテレビで見かけたブランドものなど、携帯サイト上で写真をよく見なくてもイメージできる商品の指定買いが多いという。

 初めて携帯ショッピングサイトを訪れ、買い物をしようとするユーザーはそれほど高価なものを買わない傾向があるものの、2度目以降は安心して買い物を楽しみ、慣れてしまえば通常のショッピングの一手段として捉えてもらえるとサイト運営者は口を揃える。

 「少数ではありますが、25万円もするカルティエの時計でもニーズがあります。携帯ショッピングサイトだけで年間500万円お買い物される方もおり、100万円以上購入されているお客様も、かなりの数いらっしゃいます」(ネットプライス社長室長の伊藤直氏)。

 携帯ショッピングサイト「girlswalker.com」を運営するゼイヴェルの小寺達也取締役も、「将来的には自動車や不動産販売も、ぜひ携帯ショッピングサイトでやってみたい」と強気だ。

 衛生面などから販売が難しそうな食品類も、実は売れ筋商品のひとつだ。「ケータイ版楽天市場」では、「例えばテレビで“デパ地下”のグルメ商品などが紹介されると、即テレビを見ながら携帯サイトで商品を検索し、お買い物いただいているケースも多い」(楽天の開発本部牛山典子プロデューサー)。携帯ショッピングを多用するユーザーのライフスタイルは、いたって合理的なようだ。

絵文字表現によるプレゼンテーションとメディアミックス

成功している携帯ショッピングサイトに共通しているのは、会員獲得とその会員に対するフォローやコミュニケーションを大切にしている点だ。

 携帯ショッピングでは、PCのようにネットサーフィンしながらさまざまなサイト間で商品の比較検討をするのが困難なため、他サイトから自社サイトに流れてくることは期待できない。しかし一度信頼関係が築かれれば、比較的“なじみの客”になってもらいやすいのが携帯ショッピングの特徴でもあるようだ。

550万人のメルマガ登録会員を抱える「girlswalker.com」では、ショッピングサイトとは別に、占い、芸能、イベント情報など60以上もの情報コンテンツをすべて無料で提供。満足度の高いコンテンツで顧客とのコミュニケーションを図り、購買に結びつけるという独自の販促手法を採っている。

ゼイヴェルは、効果的な販促手法として“絵文字表現の工夫”を挙げる。「女性誌で活躍する読者モデルやバイヤーらを立てて、絵文字を使った友達感覚なメールを配信すると、ユーザーは読者モデルやバイヤーらと友達になった気持ちになれる。その友達からのクチコミ情報的なシチュエーションづくりが秘訣」(ゼイヴェルの小寺氏)。

 「ちびギャザ」を運営するネットプライスでも、テキストを中心とした商品説明に力を入れている。専任ライターがこれまで培ったノウハウを活かしながら推敲を重ねた文章で商品を説明するという。

「3年前に『ちびギャザ』を開設した当初は、まだモノクロ表示の端末が主流でした。画像を見ただけでは、販売されている商品が何であるかの判別すら難しいこともしばしば。そのような状況の中、専任ライターは商品を実際に試しながらお客様の視点で観察し、まるで友達にメールを使って語りかけるような“身近なメッセージ”での商品プレゼンテーションを心がけてきました。その結果、当社のライター宛には毎日たくさんのユーザーから親しみを込めたメールが届きます。携帯電話というコミュニケーションのための“パーソナルデバイス”を使った、携帯ショッピングならではの特徴と言えそうです」(ネットプライスの伊藤氏)

 さらに「ちびギャザ」では、角川書店の「東京ウォーカー」や「シュシュ」といった若者向け雑誌媒体とのメディアミックスを展開している。雑誌は携帯電話の表現能力を補い、携帯電話が通信機能や決済機能を補完するという、最適なEコマース環境を提供できる。「テレビや雑誌などのメディアは、携帯ショッピングと非常に親和性が高い。今後も積極的に他メディアとの連動も行っていきたい」(ネットプライスの伊藤氏)。



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関連リンク
▼ ビックカメラ
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[中村実里, ITmedia]

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