Mobile:NEWS 2003年12月26日 08:40 PM 更新

体感速度“384Kbps相当”は本当か?──「b-384」を試す

定額つなぎ放題サービス「bモバイル」向け新アクセラレータ「b-384」の公開トライアルが開始された。b-384ではサーバ/クライアント形式を採用。画像圧縮と通信の最適化で実スループットの向上を図っている。

 日本通信が、定額つなぎ放題サービス「bモバイル・プリペイドサービス」ユーザー向けに、新アクセラレータ「b-384」の公開トライアルを開始した(12月24日の記事参照)。期日限定だが、同社Webからダウンロードするだけで、別途手続きをすることなく利用できる。

専用クライアントを利用する新アクセラレータ「b-384」

 同社はこれまでもWebアクセス時の体感通信速度を向上させる「Webアクセラレータ」を各種提供してきた(3月22日の記事参照)。これらはProxyサーバで画像を圧縮して受信データ量を減らし、体感通信速度を向上させるという仕組み。画像品質は低下するが、画像表示自体を無効にするよりは実用的なWebアクセスが行える。またProxyサーバを利用するだけでいいので、ブラウザでProxy利用の設定さえ可能であれば、PDAなどでも利用できる。汎用性の高さも特徴であったといえるだろう。

 対する「b-384」では、サーバ/クライアント形式の採用に伴い敢えて汎用性を捨て、専用クライアントを準備した。「b-384」はWindowsでのみの利用が可能になっている。


これが「b-384クライアント」。規定値として2つのレベルが設定されている。インストールするとタスクバーに「b」のアイコンが常駐し、機能していない場合には赤、機能している場合には緑で表示される。アクセラレータが利用可能になれば自動でアクセラレータ機能が有効になる

 b-384では実スループットの改善が図られている。詳細は公表されていないが、「Wireless TCPと似たような仕組みを取り込むことでTCP/IPレイヤー部分での高速化を実現した」としている。

 WebアクセラレータらしいのはWebを構成するオブジェクトの受信順の最適化だ。これは専用クライアントと同社が準備したサーバの連携で実現できた機能。b-384ではWebを構成するオブジェクトをサーバが解析し、文字情報を優先して送り出す。このため文字と画像が複雑に入り組んだWebでも、文字情報を真っ先に読むことが可能になっている。

オリジナル画像の閲覧も容易になった画像圧縮機能

 もちろん好評だった画像圧縮機能も引き続き採用されている。従来と大きく異なるのは特定、またはWeb全体の画像のオリジナルを必要に応じてすぐにリロードできるようになったことだ。

 このリロード機能は扱いも簡単。表示されている画像の上にマウスカーソルを移動するとガイダンスがポップアップするようになっており、[SHIFT+R]でマウスカーソル下の画像のオリジナルを、[CTRL+F5]でWeb全体の画像のオリジナルをリロードできる。必要な時に必要な画像のオリジナルを閲覧できるなど利便性が向上した。


マウスカーソルを画像上に置くと、ガイドがポップアップ表示される。特定の画像だけオリジナルを簡単にリロードできるのはかなり便利だ

 このリロード機能は、「b-384」のベースとなった前回のトライアル(8月18日の記事参照)の場合、IEコンポーネントを利用したタブブラウザでは利用できなかったが、これも利用可能になっている。「b-384」はタブブラウザユーザーにも有効なので、大きな改善といえるだろう。

 画像圧縮率の変更もJPEG/GIFの圧縮率が個別に設定可能で、圧縮率の設定もより詳細に行える。これらの設定はタスクバーに常駐したアイコンをクリックし、設定画面を呼び出すだけで変えられる。またWebアクセスのパフォーマンスに影響を与える各種設定も容易に変更できる。


画像圧縮率は11段階に設定可能だ

アクセラレータ効果はどうかわったのか

 b-384でアクセラレータの効果はどう変わったのだろうか。

 ここでは従来のWebアクセラレータも利用し、おおむね同一時間帯に本サイトのトップページ、Mobile、リビング+の3つのWebサイトをタブブラウザ「Donut P」のお気に入りグループに登録し、3つのWebサイトに同時にアクセスした場合のパフォーマンスをチェックしてみた。3つのWebサイトに同時アクセスさせているのは、違いを分かりやすくするためだ。

 以下に示すのは、Windows XPのタスクマネージャにある「ネットワークパフォーマンス」グラフだ。3つのWebに同時にアクセス開始し、完全に表示されるまでのデータトラフィックを参照し、これを参考とした。


上が従来のWebアクセラレータ利用時で、左から「マリオン」「ミッシェル」「イアン」。下はb-384。詳細設定で最高画質(もっとも低速)、既定値の低速、高速とした場合だ。いずれも左から右へ行くほど画像圧縮率が高いことになる

注目すべきはb-384で最高画質を設定した場合だろう。オリジナルに対して画像の表示品質劣化がほとんどないにも関わらず、従来のWebアクセラレータ「マリオン」「ミッシェル」利用時よりも短時間でWebの読み出しを完了している。また「イアン」利用時とほとんど変わらない。グラフを見れば分かる通り、データも連続して高速に流れている部分が多く、TCP/IPレイヤーでの高速化が効いているようだ。

b-384の「低速」と「高速」では、なぜか「高速」のほうがWebの読出しに時間がかかっている。この傾向は、複数回検証を行っても同様だった。画像圧縮率を上げすぎるとサーバ側の負荷など何かしら弊害があるのかもしれない。もっとも「低速」は6種類の組み合わせの中で最短を記録しており、従来のWebアクセラレータ「イアン」よりも確実に高速だ。全体でも見れば「b-384」は従来のWebアクセラレータより確実に高速といえるだろう。


これはMobileチャンネルのWebにアクセスし、画像をキャプチャしたもの。上段が右から従来のWebアクセラレータ「マリオン」と「イアン」、下段がb-384の画像圧縮理最低と既定値の「低速」。b-384の画像圧縮率最低では、ほとんどオリジナルに対して劣化を感じないが、これでマリオンより高速。「b-384」の規定値「低速」は従来のWebアクセラレータ「イアン」より高速だが、画質は比べものにならないくらい良い。画像圧縮以外の部分でのb-384の高速化がいかに有効かが分かるだろう

bモバイルの魅力がさらに増す新アクセラレータ

 b-384は登場のタイミングを考えると、AirH"でより多くのISPで利用可能になったWebアクセラレータ「トルネードWeb」への対抗策に見えなくもない。「トルネードWeb」も画像を圧縮して体感通信速度の図っており、これまで独特だったbモバイルの魅力がかすんで見えかねないからだ。

 しかし今回の検証で分かった通りb-384は、より根本の部分で改善が図られており、ほとんど画像の劣化なしに実スループットの向上を実現している。もっとも画像圧縮機能と組み合わせて“体感384Kbps相当か”といわれると判断が難しい。そもそも384Kbpsがどの程度の体感速度なのか、それが分からないということもある。

 文字情報がしっかり先に表示されるなど、Webアクセスならタブブラウザで複数のサイトを同時にでも開かない限りストレスは感じさせない。モバイル利用という面から見れば、b-384の併用でbモバイルが魅力を増すのは間違いない。

 注意点は、b-384はTCP/IPをフックしている関係上、一部のファイアウォールソフトなどと相性が悪い。筆者のPC環境ではシマンテックの「Norton Internet Secrity」がインストールされているとb-384のインストール自体を拒否された(ウイルスバスター2004のインストールされたPCでは問題なく利用できた)。

またb-384は現在、トライアルのため無償で利用できるが、本サービス開始に当たっては有償化が予定されているという。「可能なかぎりリーズナブルなサービスとして提供したい」(日本通信)。課金体系は同社の無線LANアクセスサービスで行っている「等価交換」方式になる見込みだ。



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[坪山博貴, ITmedia]

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