素直な写りのAFカメラ「F505iGPS」:ケータイカメラ画質研究ラボ(1/2 ページ)
2003年の最後を飾ったiモード端末「F505iGPS」。オートフォーカス機構が付いた128万画素CCDカメラは、素早い起動と素直な写りが特徴。AF搭載で利便性は上がったが、ボタンの位置にはひと工夫欲しかったところ。
年末に何気なく登場した「F505iGPS」(12月19日の記事参照)。GPS機能が追加されただけでなく、オートフォーカス(AF)機構も搭載するなどカメラ部分も進化した。
AF機能を搭載した「F505iGPS」
F505iGPSのカメラは128万画素CCD。最大960×1280ピクセルの画像を撮影でき、撮れる画像はすべて縦長になる。
レンズと撮影補助ライトとサブディスプレイ(なんと4096色の有機ELパネルで、すごく色鮮やかできれい)が一列に並んだデザインが面白い。
撮影は基本的に端末を開いた状態で行う。閉じた状態での自分撮りも可能だが、その場合もいったん開いてカメラを起動してから閉じなければならない。カメラ機能は円形に並んだ十字キーの右に割り当てられていて、押すとカメラが起動。長押しするとマイピクチャ機能になって撮影画像を見ることができる。
撮影サイズはiショットが(S)と(L)の2種類、待ち受け画面(240×268ピクセル)、VGA、SXGAの5種類とシンプル。画質もファインとノーマルの2種類で分かりやすい。
シャッターボタンは2つある。ひとつは中央にあるiモードボタンで、これを押したときは今まで通りのパンフォーカスカメラとして働く。シャッターを押したらすぐ撮影できる普通のパンフォーカスタイプカメラ付きケータイと一緒。右下の[#]ボタンを押すとマクロモードになり、近距離の撮影はそれで行う。だがパンフォーカスなので、通常モードとマクロモードの中間に位置する数10センチの距離ではどうしてもピントが合わないケースが出てくる。それを補うのがAF機能。
F505iGPSのAF機能は、マクロ時は10段階、通常モードでは5段階の撮影距離を持っており、AFを使うと15段階のどこかに合わせる。マクロ時のほうが細かいことを見ても分かるように、マクロモード(8センチ~40センチくらい)で手近な小物を撮るときに力を発揮するのがポイントだ。逆に50センチ以上離れてしまえばパンフォーカスとの差はない。
AF機能を使うときは側面にあるAFと刻印されたシャッターボタンを使う。このボタンには半押しが設定されており、軽く押すと中央にオレンジ色の枠が現れてその枠内でピント合わせを行い、1~2秒でピントが合うと表示が緑色の「+」に代わって音が鳴る。そしてボタンを最後まで押し込むと(全押し)撮影するという寸法だ。ただしピントが合わなくても音がなって撮影できてしまうのには注意が必要だ。
しかし“開いた端末を縦位置に持って側面のボタンを押して撮影”というのは使いやすいものじゃない。特に暗いときは手ぶれしがちだ。AFを使いたいときは横位置で撮影したい。AF機能を持つほかのカメラ付きケータイのように、別途「AFだけを行うボタンがあると便利だったのに」と思う。
なお、撮影機能はすごくシンプル。シャッター設定でスローシャッターを選択したり(そうしないとシャッタースピードの下限が1/10秒になる)、ライトをつけたりというくらいで、シーンモードやホワイトバランス選択もない。完全なフルオート仕様だ。
晴天下での撮影:ディテールよりも雰囲気を写す感じか
では実際の作例を見ていこう。まずはいつもの黄色い象のすべり台。EXILIM S20の1280×960ピクセルモードで撮った写真と並べてみた。
ディテールのシャープネスはさすがにEXILIM S20のほうが上。色も鮮やかに出てるが、F505iGPSもこれはこれとして悪くない。あまり色の誇張のないとても素直な写りだ。
次はあずま屋。
どうしてもレンズ周辺部の画質低下は気になるが、それ以外は実に素直で見事な写り。色のバランスも悪くないし、EXILIMはちょっと色を誇張気味のところがあるので緑も非常に鮮やかだが、F505iGPSのほうはナチュラルな色合いとなっている。まあどっちがいいかは難しいところ。松の葉が解像しきれずにゴチャモヤとなってるのは仕方がないところであろう。
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