「VIERA」好調、PDPもシェアトップに 松下
「DIGA」「VIERA」が売れ続けている松下。第2四半期以降は「LUMIX」新製品投入で、デジカメ市場にも殴り込みをかける。
松下電器産業は7月29日、2004年度第1四半期決算を発表した。オリンピックを前にして、DVDレコーダー「DIGA」やプラズマTV「VIERA」が順調に売り上げを伸ばしている。
プラズマTVは、前年同期比2.2倍の453億円を売り上げた。「全社をあげた販促活動がうまくいった結果。PDPシェアは3割を超え、トップの座を確保した」(川上徹也専務)。
DVDプレーヤー/レコーダーの売り上げは同7%増の369億円。DVDレコーダーのシェアは「昨年は3社で競っていたのが今年は11社に増えたため」(川上専務)、2割近く落として3割程度になった。それでもトップは堅持しているという。
オリンピック効果が薄れる第2四半期以降は「高付加価値製品で成長を持続する」(川上専務)。Blu-ray/DVDレコーダー「DMR-E700BD」や、HDD/VHS/DVDの“3in1”モデル「DMR-E150V」などが好調に売れると見込むほか、業界初となる65型の大型プラズマTVも投入予定だ。
“新三種の神器”の残る一つ、デジタルカメラの売り上げは明らかにしなかったが、「秋からLUMIX 4機種を一気に投入することで挽回する」(川上専務)。
今後は、VIERA、DIGA、LUMIXなどをネットワーク接続する「イージーネットワーク」で新しいデジタル家電の利用法を提案、デジタル家電全体で相乗効果を上げていく考えだ。
PCも好調、携帯は落ち込む
同社の決算発表としては珍しく、PC事業もアピール。「『Let'snote』は在庫ゼロの受注生産モデルだが、300億円ほど売り上げた」(川上専務)と胸を張る。
ただ、パナソニック モバイルコミュニケーションズの携帯電話事業は不振だ。
売上高は同10%減の1382億円。価格競争のあおりで利益率が低下し、営業利益は同79%減の11億円に落ち込んだ。「国内市場が停滞していることに加え、中国・欧州市場も落ち込んでいる」(川上専務)。
今後は、同社が国内シェア4割を確保しているというNTTドコモの「FOMA」を中心に、販売を立て直す。
猛暑とオリンピックの恩恵受ける
連結の売上高は2兆1020億円(前年同期比19%増)、営業利益は435億円(同117%増)、当期純利益は328億円(同12倍)。
デジタル機器・白物家電ともに好調で、売り上げ・利益を押し上げた。「TVが売れるとエアコンが売れず、エアコンが売れるとTVが売れないと言われているが、オリンピックと猛暑が重なったためTVもエアコンも売れた」(川上専務)。
第2四半期は為替の好転などが見込めることから、上半期の業績見込みを以下の通り上方修正している。
- | 修正前 | 修正後 |
---|---|---|
売上高 | 4兆1700億円 | 4兆2600億円 |
営業利益 | 1050億円 | 1200億円 |
当期純利益 | 280億円 | 450億円 |
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2割以上の増収となったのはDVD機器とプラズマTV、携帯電話。シェアトップを走るDVD機器の今年度出荷は、昨年度の3倍を見込む。
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