5分で分かる、今週のモバイル事情:10月16日~10月22日
携帯電話の多様化が進んでいる。超小型の「premini」や多彩な形状のドコモPDC端末に続き、ツーカーから“黒電話を意識”した超シンプル端末が登場。
“液晶もなし”シンプルを極める「ツーカーS」
ツーカーは、ディスプレイも電話帳機能も省いた携帯電話「ツーカーS」を開発。11月中旬から発売する(10月18日の記事参照)。電話の受発信だけに機能を絞り、「黒電話のようなカンタンさを実現した」。
開発担当者によると、ターゲットは主に高齢者(10月21日の記事参照)。操作から長押しを排除し、電源もスライドスイッチとした。着信音なども1種類で“設定という概念”が存在しない。
携帯向けカメラが4M、5M時代に突入
韓Samsungは、500万画素CCDカメラを搭載した携帯電話を発表した(10月21日の記事参照)。ペンタックスと共同開発したカメラモジュールを採用している。以前発表した光学3倍ズーム付き携帯電話とは異なり、外見は普通の携帯電話だ。本体は上下に伸び縮みし、カメラ部を隠すこともできる。
同時期に、三菱電機は独自開発のCCDを使った記録画素4Mピクセルの携帯向けカメラモジュールを発表した(10月20日の記事参照)。富士写真フイルムのスーパーCCDハニカムと同様に、有効画素数の2倍の記録画素を持つ。2005年の3月から量産する。
携帯シェアトップのNokiaが日本本格参入
携帯電話の世界シェア33%を持つ北欧の巨人、Nokiaが日本市場に本格参入する。W-CDMA/GSMに対応した「Nokia 6630」を、自社ブランドとボーダフォンブランドで年末から展開。「初のマスマーケット向け端末」と期待する(10月19日の記事参照)。全世界に向けて端末を供給するNokiaにとっては、W-CDMAの普及が追い風だ。
併せて、Nokia 6630上のアプリケーションプラットフォーム「Series 60」の、開発トレーニングも始まった(10月21日の記事参照)。Javaなどに比べ自由度が高く、セキュアなアプリケーションを開発できることから、エンタープライズ用途での利用が期待されている。
WPC EXPOで語られたauデザイン成功の理由
10月20日から東京ビッグサイトでWPC EXPOが開催された。携帯キャリアの出展はKDDIとDDIポケットのみだったが、講演では「au design project」のキーパーソンが登場した(10月21日の記事参照)。
「(携帯電話のデザインにかかわったことで)携帯電話が分かってきてしまった。最近の端末を見て“完成度が高いし、悪くない”と感じ始めたのはまずい」。出席者の一人、au端末のデザインも手がける岩崎一郎氏はこう話した。メーカーの常識で考えないところに、au design projectの成功の理由があるのかもしれない。
さて、来週は?
来週は28日にKDDI、29日にドコモが中間決算を発表する。1X WIN端末の最新稼働台数なども明かされる予定だ。
31日には、800M/2GHzの両周波数に対応した1X WIN対応CF型データ通信カード「W02H」が発売される(10月21日の記事参照)。auショップでは取り寄せ扱いとなる。
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