「CDMA2000にも注力」をアピールするNokia:3G World Congress & Exhibition 2004
Nokiaは香港会場でCDMA2000端末「6235/6235i」を発表した。同社ブースを見る限り、「GSMは強いがCDMA2000に弱い」というイメージの払拭を狙うかのよう。
香港で開催された「3G World Congress & Exhibition 2004」会場で、新機種「Nokia 6235/6235i」が発表された。いずれもストレートタイプのCDMA2000 1x端末で、2005年第2四半期に発売予定。
動画撮影対応のVGAカメラを備え、10Mバイトの内蔵メモリやMP3着信音、ストリーミングビデオ再生に対応する。同社の外付けBluetoothアダプタ「AD-5B」を装着するば、Bluetoothヘッドセットの利用も可能になる。
2モデルの違いは、6235がアジア市場向け、6235iが北米向けとなっている。6235iのみAMPSとのデュアルバンドで、Javaに加えBREW2.0に対応。そのほかは両者共通の機能を搭載している。
端末のデザインコンセプトは「クラッシック・シンプル」で、ビジネスユーザーがターゲット。先日発表されたGSMの「Nokia 6020」(11月3日の記事参照)と同じ流れのデザインだ。
CDMA2000端末もラインナップ拡充するNokia
世界の携帯電話シェア1位のNokiaだが、GSM市場での強さとは裏腹に、CDMA2000市場ではライバルのMotorolaやSamsungの後塵を拝している。
同社のCDMA2000端末ラインナップはこれまで比較的ローエンド、普及機レベルの端末が多く、デザインもおとなしいものが多かった。
ブースでは、CDMA2000に注力している同社の姿を、アピールしているかのようだ。CDMA2000 1xの最新機種を多く展示し、W-CDMA端末の展示はなし。特に今回発表したNokia 6235/6235iと、発売目前の高機能端末「Nokia 6255」は展示の中心となっており、ブース内のあちこちでデモが行われていた。
とはいえ「GSMやW-CDMA機の展示はないのか」と質問する来訪者の姿も多く、Nokia=GSM、というイメージの強さを垣間見るようだった。
Nokiaは2005年には40機種の新製品を投入予定で、うち4分の1程度がCDMA2000 1x端末といわれている。CDMA2000関係に絞った今回の展示は、同社のCDMA市場への本気さを十分感じ取れるものだった。
(左)「Nokia 2112」はモノクロ液晶のローエンド端末ながらカラフルな筐体。上部にはLEDライト、背面は写真を入れられるなど、安価でも楽しさを感じさせる。(中)「Nokia 3125」と「Nokia 3205」は若い世代向け。3205はボディーから数字キーまですべて透明な素材を採用。どちらも同社GSM端末「3120/3200」のCDMA2000 1x版
(左)「Nokia 6015」は、ややサイズが大柄で幅広い層をターゲットにした普及モデル。(右)「Nokia 6225」は同社GSM端末「6220」のCDMA2000 1x版で、スタイリッシュなデザインにVGAカメラを備えたビジネス向けモデル。背面に置かれているのは「Nokia Music Stand MD-1」で、同社携帯と専用ケーブルで接続し音楽/FMラジオ再生が可能
関連記事
- Nokia、2005年の経営目標発表
- 中国メーカーからもW-CDMA端末が登場
香港の展示会場には、欧米メーカーに混じって中国メーカーの姿も。各社ともW-CDMA対応の新製品を展示しており、CDMA市場に影響を与えそうだ。 - GSM/UMTSのデュアル基地局を展示
GSMへの設備投資を廃止するわけにもいかないが、UMTSの可能性は模索する――そんなオペレータを対象にした製品。 - 香港でアジア最大のモバイル展示会が開催
3Gの未来を占うカンファレンスが、香港で開幕した。海外端末が多数展示されているほか、GSMやCDMAといった技術動向のセッションも用意されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.