あの“ロボットマラソン”でHONORが優勝していた スマホ技術を応用した「Robot Phone」から家庭用ロボット実現へ、AI戦略の全貌:山根康宏の海外モバイル探訪記
スマートフォンメーカーとしての枠を超えた取り組みが、既に具体的な形として見え始めています。
HONORは3月に発表した「Robot Phone」によって、スマートフォンの新しい形を提示しました。そのイベントでは、ロボット技術の存在も明らかになり、ステージでは自律的にダンスするロボットが登場し、単なるコンセプトにとどまらない開発の進展を印象づけました。スマートフォンメーカーとしての枠を超えた取り組みが、既に具体的な形として見え始めています。
HONORはスマートフォン以外にもタブレットやPC、ウェアラブルデバイスを展開していますが、2025年に掲げた「α戦略」により、全ての製品の中核にAIを据えることを公表しました。今後はスマートデバイスだけでなくロボットなども展開し、さらには自社製品を軸にしたエコシステムを拡充していく予定です。特にロボット分野はAIの進化を体現する存在として重要視されており、同社が次に狙う成長領域の一つといえるでしょう。
その実力を示す出来事が4月に北京で開催されたロボットマラソンです。この競技でHONORのロボットは優勝を果たし、単なる試作段階を超えた完成度の高さを証明しました。
長距離を安定して走行するための制御技術やエネルギー効率、さらには環境認識能力など、実用化に必要な複数の要素には、スマートフォンで培われた技術も応用されている。ロボット市場へ参入できるだけの技術力が、既に一定水準に達していることを示したと言えます。
HONORの技術は現段階では「自分で自律的に走れるロボット」を完成させたにすぎず、家庭向けであれば家事を手伝う相棒として役立つ製品にまでブラッシュアップする必要があります。
現状でも、マラソンで培った長距離・長時間の移動性能や、省電力で安定して歩き続けるモーション制御は、段差や狭い通路がある家庭内を安全に移動するための基盤技術として応用できます。また、人や障害物を避けながら自律走行する環境認識・ナビゲーション技術も、家族やペットと共存しながら家中を巡回するホームロボットに、そのまま生かせるポテンシャルがあります。
今後はここに、物をつかんで運ぶためのアームとハンド、音声や表情を通じて自然にやりとりできる対話インタフェースを積み重ねていくことが重要になります。掃除や荷物運び、見守りや簡単な買い物受け取りといった、具体的な「家庭タスク」にどこまで落とし込めるかが、HONORのロボットが本当に家に入ってくるかどうかを左右していきそうです。
HONORのロボット開発は、スマートフォンで培ったハードウェア設計力とAI技術を生かせる点が強みです。ロボットマラソン大会で優勝したのは、そうした蓄積の成果が結実したものだといえるでしょう。Robot Phoneに続き、HONOR製のロボットそのものが製品として登場する日も、そう遠くないのかもしれません。
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