3G通信カードをマルチロケーションでチェック(2/3 ページ)
国内で3Gサービスを展開中の3キャリアから、CF通信カードが出揃った。前回は料金面の比較を行ったが、今回は各所でスループット計測を行い、それぞれのカードを実際に使用した時の実力を検証してみた。
平日日中~郊外
これらの4カ所での計測は、なかなか面白い結果になった。受信に関してはWINが2カ所、FOMAとVodafone 3Gが1カ所ずつトップを分け合った。特にWINは、川崎市久地で900Kbpsを超える恐るべき速度を記録している。FOMAも富士市久沢では、都市部ではなかなか見られない300Kbpsを超える速度を記録した。
圧倒的な速度を出したWINだが、その一方で計測場所ごとのばらつきが大きく、茅ヶ崎市中海岸では接続すらできなかった。計測地近辺に住む知人によれば、計測日の数週間前の台風以後、auは音声端末でも極端に電波状況が悪く、基地局に障害が発生している可能性も考えられる。もっとも、このケースを除いても、やはり結果にばらつきが大きい傾向に変わりはない。
一方、安定感をみせたのはFOMA。受信のトップスコアこそ1カ所だけだが、計測ごとのばらつきも少なく、基地局の密度の高さを感じさせる。より基地局密度が高いはずの都心部では、FOMAの受信速度が300Kbpsを超えることは少ないが、この原因として音声端末のトラフィック過多があるのは間違いないだろう。
逆に都心部では比較的条件に左右されずコンスタントに300Kbpsを超えていたVodafone 3Gが、中井パーキングエリアでは300Kbpsを、富士市久沢では受信の平均で200kbpsを割込んでしまった。現状の契約者数を考慮すれば、音声端末のトラフィックの影響は考えられないため、やはり基地局密度に関しては先行したFOMAに追いついていないと推論できる。
平日日中~都心部、地下街
続いて地下街という、都市部ならではのロケーションで計測をしてみた。小型基地局やリピーターの所在がはっきりしない新宿スタジオアルタの地下と、小型基地局が設置されていることがハッキリしている川崎のアゼリア地下の2カ所で計測した。
ここでも安定感を示したのはFOMAで、受信はどちらも200Kbpsを超えた。Vodafone 3Gはアゼリアでは平均300Kbps近い速度を記録したが、スタジオアルタでは受信がほぼ60Kbpsに留まった。WINはスタジオアルタではどうやっても接続できず(音声端末がかろうじて利用できる程度)、アゼリアでも受信は平均が25KbpsとPHS並みの速度になってしまった。アゼリアでは音声端末の利用に不便を感じなかっただけに、少々気になる結果だ。
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