5分で分かる、今週のモバイル事情:12月11日~12月17日
800MHz帯問題をめぐり、活発な議論が交わされた。ボーダフォンはブロードバンド連携サービスを開始。ドコモは海外でiモードを使える端末を発表した。
800MHz帯問題、議論は平行線
総務省が開催した「携帯電話用周波数の利用拡大に関する検討会」の第5回会合で、通信事業者間の活発な議論が交わされた(12月15日の記事参照)。ソフトバンクは、従来どおりドコモとKDDIが割り当てられている800MHz帯を強く要求した。
議論は結局、平行線をたどったまま。ソフトバンクの孫正義社長は、総務省が最終的にどう決定を下すのかを問い正し、場合によっては再び行政訴訟で争う姿勢も見せた(12月14日の記事参照)。
KDDIの小野寺社長は、定例会見でこの問題に言及。「ソフトバンクの800MHz帯希望はエゴ」と斬り捨てた(12月15日の記事参照)。
なお、ソフトバンクと同じく移動体参入を表明しているイー・アクセスは、モバイルを担当する子会社「イー・モバイル」の設立を発表した(12月14日の記事参照)。
海外でもiモードが使える「N900iG」登場
ドコモが、GSMとW-CDMAのデュアル端末「N900iG」を発表した(12月16日の記事参照)。海外で通話やiモードを利用できる。
当初は、115の国と地域で音声通話、SMS送受信などを行える。26の国と地域でパケットローミングが可能なほか、英国および香港と、日本との間ではテレビ電話も可能。対応する国は順次拡大する予定だ。
ドコモはまた、ロシアでもiモードを展開することを発表(12月17日の記事参照)。Mobile TeleSystemsにライセンス提供し、2005年12月までにiモードサービスを開始する予定だ。
ボーダフォンが「Vodafone live!BB」開始
ボーダフォンが、15日昼から「Vodafone live!BB」を開始した(12月14日の記事参照)。ブロードバンドと携帯の連携を狙ったサービスだ。
コンテンツをPCサイトからダウンロードし、SDカードなどを経由して携帯に転送。携帯側のボーダフォンライブ!で「コンテンツキー」を購入すると閲覧できるというもの。コンテンツ購入形態の多様化が期待できそうだ。スタート当初は高クオリティのフル楽曲のほか、「韓国ドラマBB」など9コンテンツが予定されており、50程度のコンテンツが用意される。価格は100円から300円程度。
着うたフル、おサイフケータイ、それぞれ順調
ドコモの「おサイフケータイ」が100万台を突破した(12月15日の記事参照)。7月10日に販売された「P506iC」の登場から約5カ月で達成したことになる。
iモードの普及時は、100万台突破まで約5カ月半かかっていた。それと比べると、今回は少し早いペースとなる。
auの着うたフルは、開始3週間で36万ダウンロードを突破した(12月15日の記事参照)。こちらも好調な出だし。対応端末の販売台数は、12月15日の時点で20万台近くに達しているという。
さて、来週は?
auから、フルブラウザ搭載で注目される「W21CA」が発売される。17日に北陸で発売されているが、明日18日には全国で発売予定だ(携帯データBOX参照)。
12月25日には、上で説明したGSM対応端末「N900iG」も発売になる。クリスマスに向けて、ユーザーの端末購入が進みそうだ。
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