画質も光学2倍ズームの使い勝手も向上~「902SH」:ケータイカメラ画質研究ラボ(2/4 ページ)
V602SHで今ひとつだった光学2倍ズームの使い勝手が、902SHで改良された。画質も向上し、良好な仕上がりだが、もう少しPCとの親和性を考慮してほしかった。
もう1つ注意すべきは画像の保存先。「本体」「メモリカード」「デジタルカメラフォルダ」の3種から選択可能で、本体にはデータフォルダの「ピクチャー」に、メモリカードは「デジタルカメラ」フォルダに記録される。
「ピクチャー」と「デジタルカメラ」に保存される画像はどちらも同じだが、次の2点が異なる。SDカードに保存する場合、「ピクチャー」では画像ファイルに「日付+時刻」という携帯風のファイル名が付き、SDカード内のPRIVATEフォルダの中にあるフォルダに記録される。「デジタルカメラフォルダ」にすると、デジタルカメラの業界が定めている「DCF」という規格に従った形式で、DCIMというフォルダに格納される。
保存先設定 | 保存先 | フォルダ | ファイル形式 |
---|---|---|---|
本体 | 本体 | ピクチャー | 日付+時刻 |
メモリカード | SDカード | ピクチャー | 日付+時刻 |
デジタルカメラフォルダ | SDカード | デジタルカメラ | DCF |
DCFという規格に沿っていると、デジカメ用ソフトを使ってSDカードから画像を簡単に吸い上げられたり、他のデジカメやデジカメ用プリンタとの親和性が高くなる。しかしDCF規格では、ファイル名やフォルダ名が記号のようで分かりづらいとシャープは考えたのか、SDカード内にも本体に保存するのと同じ保存方法を用意した。SDカード内に2種類の保存方法を用意するのは、デジカメの一種としてPCで画像を扱いたい人にはとまどう仕様ではないだろうか。
個人的には、画像サイズVGA以上の時にはDCFフォルダに自動保存されるなど、もう少しPCやデジカメの世界との親和性を考えてほしいと思っている。
高画質な画像を撮るなどデジカメ代わりに使いたい人は、1224×1632ピクセルのハイクオリティモードでデジタルカメラフォルダに保存する設定(自動的にメモリカードに保存される)をお勧めしたい。
902SHは、外部メモリにSDカードを採用。現在デジカメ用として最も普及しており、価格もこなれているメディアなので利便性が高い。
携帯スタイルで撮影するときは、決定キーを押すとAFが働いてシャッターが切れる。ただしAFがうまく働かない場合でも(赤い×が表示される)シャッターが切られ、その場合はたいていピンボケ写真になる。携帯スタイルで撮る際は、まず発話ボタンでAFを先に動作させ、ピントを合わせてからシャッターを切るといい。
ディスプレイを表に出したビューワースタイルの撮影では、側面のカメラボタンがシャッターになる。このボタンは半押しが効くので、普通のデジタルカメラの要領で撮ればいい。
ただ、さすがに本職デジカメのAFに比べると、速度や精度は今ひとつ。被写体とある程度距離が離れているときなどは、パンフォーカスでパシッと撮ってしまいたい。902SHはAFのモードの切り替え(通常AFか接写かマニュアルフォーカスか)がメニューの「その他」の中にあって、アクセスしづらいのが難点だ。
ズームは上下キーかサイドキーを使うが、光学2倍は広角側と望遠側の2段階で、その中間はない。もっとも2倍くらいだと、たいてい広角端か望遠端しか使わないので、それでもまったく問題はない。無理に多段階ズームにする必然性もないだろう。
2段階でも、画質が落ちない望遠撮影ができるメリットは大きい。1224×1632ピクセル時以外はデジタルズームが働くわけだが、デジタルズーム時もまず光学2倍ズームが働いてそのあと自動的にデジタルに切り替わる。ここがV602SHと比べて一番進歩した点で、使い勝手が向上した。
ディスプレイは2.4型でQVGAのモバイルASV液晶。屋外での視認性もよく、クオリティは高い。もっとも晴天下で斜めから見ると表面が光ってしまうが、日常的な撮影には問題ないレベルだ。
また、同じシャープが製造するドコモの「SH901iC」は(2004年12月の記事参照)、通常撮影時は画面の上下が各種情報表示で隠れるため、構図を決めるのに難があった。902SHはアイコン式で通常モードでも一応構図をチェックできる。全画面表示モードも用意されているが、不要なくらいだ。
撮影にかかる時間は、ハイクオリティでSDカードに記録した場合、VGAだと約3.5秒、1224×1632ピクセルの200万画素モードだと約8秒ほどになる。けっこう実用的な速度でうれしい。
屋外の作例
まず屋外での作例として、黄色い象のすべり台を見てみよう。
少々コントラストが高めで、赤い手すりがとんでいるが、ホワイトバランスといいシャープさといい、なかなかバランスが取れた写り。冬の晴天下だとこんな感じであろう。
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