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携帯フィギュア、ヒットの裏に秘めた「こだわり」(3/3 ページ)

携帯を縮尺したフィギュアを作る。たわいもないアイデアに見えたが、結果は大ヒットだった。背景には、担当者の「何もそこまで」というこだわりがあった。

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 実はフィギュアでは、本物と同じ塗料を使うと色合いが変わって見えてしまうことがある。サイズの違いから、メタリックな質感や明暗などが変化するためだ。

 そこで、第3弾製作にあたっては塗料から探した、と重戸氏。本物そっくりに見えるよう、「フィギュアに向いた塗料を作ろうと、工場側で塗装会社を雇った」

 第3弾ではまた、透明度のある質感を持つ「Music PORTER」などの開発をドコモに申請している。この質感を再現すべく、透明度の高いパーツである“クリアパーツ”も開発した。別途、金型が必要になるためコストがかさむが、その分だけ売る覚悟だという。

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クリアパーツ(写真は開発中のもの)

根本にあるのは「フィギュアが好き」

 なぜ、そこまでこだわらなくてはならないのだろうか。重戸氏に話を聞く限りでは、「フィギュアが好き」という思いが根本にあるようだ。

 「商社マンをやっていた頃は、仕事がつまらなかった(笑)。小さい頃から、フィギュアが好きでこの業界に入った。(精巧なフィギュア製作で知られる)海洋堂さんの挑戦を見たり、バンダイさんが(パーツを増やしてクオリティにこだわった)『マスターグレード』のプラモデルを出したりしているのを見ると、『ああ、いいな』と思う」

 重戸氏は、街中で出来のいいフィギュアを見ると、思わず買ってしまうタイプ。「オモチャじゃなく、作りこんでここまでできるんだ、と。(Mobile Figure Collectionでも)シリーズを重ねるごとに、同じ出来ではなくてもっといいものを作りたい」。製品ラインアップにしても、ドコモ以外のキャリアの製品に拡大するよりは、ドコモの製品をより精巧にする方向で考えているという。

 これ以上ないほど、進化を重ねるMobile Figure Collection。しかし重戸氏には、いくつか改良したい点が残っている様子。「フィギュアに金属も使用したい」……というのもその1つだが、これはドコモ側から「端末本体を傷つける」「電波干渉を招く」として却下されている。

 「ストラップとして付けるのではなく、机の上に“飾るもの”だと主張したら了解をとれないだろうか」。重戸氏はそんな風に言って、笑った。


ちなみに線メリの「岡田有花フィギュア」(2004年11月15日の記事参照)も、実はマイタンの製作。残念ながら、本人をCADにかけたりはしていない



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