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第2回 「ケータイShoin3」搭載、SH506iCの文字入力を探る効率よいメール入力を考える(1/3 ページ)

「書院」ワープロの流れを汲む“ケータイShoin3”は、さまざまな変換機能を備えた日本語入力ソフトだ。その日本語入力の実力を、POBoxやATOK+APOT、T9といったライバルと比較してみよう。

 シャープ製ドコモ端末SH506iCは、「ケータイShoin3」という文字入力ソフトを搭載している。予測変換が当たりまえになりつつある昨今、ケータイShoinもSH506iCで、バージョン2からバージョン3へと大きく進化した。果たしてケータイShoin3は、POBoxやT9と比べて優れているのだろうか?

左右に180°回転する2軸の液晶が特徴。コンパクトボディの「SH506iC」は、ケータイShoin3を搭載した初の端末だ

ワープロの流れを汲むケータイShoin

 かつてワープロ専用機という恐竜が地上をのし歩いていた時代、シャープは「書院」というブランドで覇権を争っていた。業界への参入も早く、また最後までワープロ専用機の灯を残そうとしたシャープには、日本語処理にかける並々ならぬ熱意が感じられた。ケータイShoinはこの書院ワープロの流れを汲む文字入力ソフトだ。

 SH506iCに搭載されたケータイShoin3はその最新版で、“てんこ盛り”ともいえる豊富な機能を載せている。主な機能を簡単に紹介しておこう。

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機能名 内容
近似予測変換 1文字~数文字の読みから単語を予測する
連携予測変換 直前の入力につながる単語を予測する
ワンタッチ変換 「あかさたな」で入力した読みを変換する
推測頭出し変換 1文字の入力から単語を予測する
人名優先変換 アドレス帳で人名候補を優先する
UNDO(やり直し)機能 クリアで削除した入力を戻す

 中でも目玉となるのが、近似/連携予測変換とワンタッチ変換だ。ここではまずこれらの変換機能について詳しく見ていこう。

4方向の操作が可能な近似/連携予測変換

 ケータイShoin3では、先頭の1文字~数文字を入力するとそれにマッチした候補を表示する機能を“近似予測変換”、直前の入力に続く候補を予測する機能を“連携予測変換”と呼んでいる。行っていることはPOBox(2004年7月29日の記事参照)や、ATOKの予測変換であるAPOT(1月12日の記事参照)とほぼ同じだ。前バージョンでは3文字までの近似予測が可能だったが、ケータイShoin3では5文字まで拡張された。入力が5文字を超えると予測候補ウィンドウは空になるが、そのときは「↓」で通常のかな漢字変換が行える。

 SH506iCのケータイShoin3がPOBoxやAPOTといちばん違うのは、予測候補が5行×2列に整然と並んで表示されるところだ。ぎっしり詰めて表示するPOBoxやAPOTと比較すると、候補ウィンドウが5行も占めるにもかかわらず1画面に表示される候補は少なく、最大でも10件しかない。

 その代わり前後にしか移動できないPOBoxやAPOTと違い、縦横両方に移動できるので候補を素早く選べるというメリットがある。とくに候補ウィンドウが何画面もあるときは、2回のキー入力で前後の画面に移動でき便利だ。

 移動を除けば、操作はPOBoxやAPOTとよく似ている。APOTと違って濁点やかな小文字は入力しなければならないが、最後の文字についてはかな大文字を入力した時点で予測が可能だ。たとえば「だいか」まで入力すれば「大学」が候補に現れる。以下に例文と実際にそれを入力した様子を示そう。「↓」は予測候補の選択、括弧内は変換結果を表す。

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近似予測変換で入力中。候補選択には上下左右の矢印キーが利用可能だ。予測候補の選択中は候補が編集ウィンドウにも反映される(中央)。このことからも推測できるように、決定キーを押さずに次の文字を入力すると選択中の単語が確定してしまう。このあたりのふるまいは、編集ウィンドウと候補ウィンドウが上手く連携しているPOBoxやAPOTとは異なる
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