HSDPAは一番乗りではなく適切なバランスで~EMP社長:Ericsson Mobile Platform社長インタビュー(2/2 ページ)
W-CDMA向けプラットフォームで、世界シェア30%を持つEMP。サンディープ・チェナケシュ社長に、HSDPAの動向や、日本市場への取り組みについて聞いた。
HSDPAはマス市場向け
ITmedia HSDPAのチップは、これまでのW-CDMAと比べて消費電力がどう変わると考えたらいいのでしょうか。
EMP そんなに変わりません。一定の差はありますが、それほど大きくはないです。これはEMPのソリューションのいいところです。
EMPのソリューションの特徴として、クワッドバンドのGSM/GPRS、クワッドバンドのEDGE、そしてW-CDMAでは最大3バンドまで対応できることが挙げられます。非常にコンパクトで、どこでも使えるソリューションです。米国、日本、そしてヨーロッパのどの携帯事業者でも使えるわけです。
ITmedia HSDPAの普及の見通しをどのように見ていますか。
EMP 我々は高い柔軟性のソリューションを提供しようとしています。4つのコンポーネントのうち、1つ目のRFチップはGSM/GPRS、EDGEに対応します。2つめのRFチップはW-CDMAに対応し、3つめに電力管理向けのチップがあります。4つ目はベースバンドチップです。
このベースバンドを新しいチップに変えるだけで、もうHSDPA対応です。同じソリューションを使い回すことで、マス市場向けになります。HSDPA対応チップでも大きなコストの違いはありません。
汎用OSへのEMPの対応
ITmedia HSDPAから少し話が変わるのですが、昨今汎用OS採用の動きが高まっています。EMPでは汎用OSへの取り込みをどう進めているのでしょうか。
EMP 現在はリアルタイムOSを使っています。効率がよく小さいソリューションです。このOSの周りに多くのソフトウェアコンポーネントを構築し、さらに広範なAPIを作ってきています。
トータルなソリューションとして見てください。提供している機能としては、いわゆる汎用OSよりも多いんです。ソフトウェアとして非常にパワフルで、汎用OSで市場に出ているもののどれよりも強力です。
最も高機能なW-CDMA端末がEMPのソリューションを使っていますが、これはリアルタイムOSです。
ITmedia 汎用OSへの対応はあまり必要ないということでしょうか。
EMP EMPの哲学は、お客様をサポートすることですから、うちとしては(汎用OSへの)ソリューションも提供する。ソフトウェアコンポーネントを作って提供することで、お客様は汎用OSを、EMPのプラットフォームに追加することができるようになります。
Windows CEやSymbian OSを付け加えたいと思うお客様がいたら、付け加えられるんです。実際、EMPのプラットフォームを使ってCEを使ったお客様がいるし、Symbian OSを使って端末を作られたお客様もいます。
ITmedia 日本市場への取り組みについて教えてください。現状ではボーダフォン向けの端末への搭載が主だと思いますが、今後の展開はどうでしょうか。
EMP 日本では2つほど重要な取り組みがあります。第1に、日本でかかえている端末メーカーの数を増やしたいです。EMPの製品は良質で競争力もあります。世界100カ国以上で実績があります。
2つめに、ドコモとも協力をこれから増やしていきたいですね。ドコモ向けの技術もこれから開発していきたいです。
もしチャンスをもらえるなら、ドコモにも食い込んでいきたい。EMPは(製品出荷)ボリュームがあるので、価格的にも魅力的なものを出せます。
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