「W31S」がスライドになった理由:W31S 開発者インタビュー(後編)(3/3 ページ)
初物ずくしの「W31S」。音楽機能やカメラといった機能の進化と共に、折りたたみ型からスライド型へ、そしてジョグダイヤルから十字キーへの変更もなされている。
「ゲームですね。ジョグだと、縦横の操作感が左右と違う。同一感がないわけです。今回はWINのエンターテインメントのサービスに特化したいということで、十字キーを採用しました」(高橋)
「まずゲームで、ジョグが使いにくいとか、ゲームメーカーがキーアサインしにくいという事情があったんです。他社と(十字キーという)同じ土俵で、幅広いユーザー層を獲得していきたい。そういう思いがあります」(佐藤氏)
もちろんスペースの問題もあった。ジョグダイヤルを納めるにはかなりの厚みが必要となる。社内でもジョグをどうするかには議論があったという。
しかし、ジョグを止めて、十字キーに完全移行するというわけではない。
「今後、これ(十字キー)にします──ということではないです。例えば『A1404S』のほうでは引き続きメールとWebの操作という基本の操作感を優先してジョグダイヤルを続けています。今後ラインアップの展開に合わせて、一番いいデバイスを選んでいこうと思っています」(高橋氏)
デファクトスタンダードに絡め取られた──。今回の変更にはそんな印象も持つ。ジョグユーザーにとっては、ジョグの使い勝手は最高だが、他社端末のいわゆる十字キーに慣れたユーザーにとっては、ジョグがソニー・エリクソン端末を買わない理由になっていた可能性もあった。
「ソニー・エリクソンはジョグというイメージがあったと思うんです。しかし(十字キーの採用で)逆にソニー・エリクソンを使っていなかった人も、音楽機能などをフックに取り込めないかという思いがあります」(高橋氏)
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