サクサク使えるがマクロに疑問――W31T:ケータイカメラ画質研究ラボ(5/5 ページ)
東芝端末おなじみのCMOSセンサーではなく、CCDを採用したW31T。カメラ機能はシンプルだし、けっこうサクサクと使えるのだが、マクロ機能にひっかかった。
通常撮影でも、増感によるカラーノイズが暗部に出始めているが、ナイトモードにするとさらに感度アップされ、写真全体が派手なカラーノイズで覆われてしまった。普通に撮るとこうなっちゃうということで、ローノイズモードで撮ると、撮影に時間はかかるが、きれいにノイズが消えた。ノイズ低減処理独特ののっぺりした感じにはなるが、ローノイズモードだけでいいじゃん、と思わないでもない。
マクロモードを使うともっと派手に違いを見ることができる。マクロモードにすると絞り値がでかくなる分、ぐっと暗くなるので、白熱灯の部屋でもナイトモードにしたくなるのだ。で、白熱灯の下でマクロ+ナイトモードで撮ってみた。
こうしてみると、いろんな色がちりばめられたすりガラス越しに見たような、ノイズの霧に覆われたような写真。ローノイズモードにすると、面白いくらいそれが抑えられている。でもやはり暗い。
室内でのマクロモード時は気をつけたい。
なお、白熱灯を2灯使ってかなり明るくして撮ったマクロはこんな感じ。
やはり全体にノイズが浮いて色の浅い絵になってしまった。
最後に動画を。
320×240ピクセルで秒15コマという、けっこう優れた動画機能を持っている。動画フォーマットは3GPP2だ。
今回の東芝製端末はCMOSセンサーではなく、CCDを採用してきた。昼間の屋外では色もいい感じで出るし、「あざやか」にすれば色もより濃くなる。でも室内など暗いところではちょっと厳しいか。
一般にCCDはCMOSセンサーに比べると電力消費は大きいが、その分感度や画質面では有利なはず。だが、そのメリットが感じられないのは薄型化のため非常に小さなCCDを使ったせいではないかと思う。同じ画素数なら、撮像素子が小さければ小さいほどひとつひとつの画素が小さくなり、感度やダイナミックレンジが落ちてくるからだ。
それより気になったのがマクロ機能。絞りを切り替えて被写界深度を稼ぐモードを「マクロ機能」と呼ぶのは、写りの面でも使い勝手の面でもよい方法とは言い難い。とはいえ、これはボディの小型、薄型化のため仕方なかったのか。何しろ、この丸みを帯びたコンパクトなボディーに200万画素カメラ、さらにはBluetoothまで内蔵しているのだ。
カメラ機能はシンプルだし、けっこうサクサクと使えるしで、画質についてはある程度しょうがないとしても、この「疑似マクロ機能」だけはひっかかったのであった。
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