ムーバ企画端末で40代~50代を取り込む――ドコモ
NTTドコモはラジオ付き携帯「RADIDEN」を発表した。まだ多くのユーザーが利用するムーバの企画端末をリリースすることで、40代~50代の取り込みを狙う。
NTTドコモは8月29日、ムーバ新機種「RADIDEN」(ラジデン)を発表した(8月29日の記事参照)。premini-Sをベースにした端末で、AM/FMラジオ機能に対応した点が特徴だ。
小型端末として話題を呼んだ「premini」シリーズや「Music PORTER」「Lechiffon」と並ぶ“ムーバ企画端末”との位置づけ。ドコモのプロダクト部部長、永田清人氏がRADIDENの狙いを話した。
40代~50代はムーバが多い
ドコモはこれまでFOMA 900iシリーズ、700iシリーズと呼ばれる“シリーズもの”をリリースしてきた。一方で、ムーバのコンセプトモデルも継続して販売してきたと永田氏は強調する。
「FOMAは8月5日の時点で1500万加入を達成したが(8月9日の記事参照)、ムーバも依然として約3500万加入。ムーバユーザーのスケールは大きい」
年齢別に見ると、FOMAは比較的若年層に支持されており、20代~30代ではFOMA:ムーバの比率が4:6。とこらが40~50代となると、この比率が2:8になる。
「年齢的に、少し落ち着いた層がまだムーバに力点を置いている」。RADIDENは、この層に受け入れてもらえるベースモデル――として検討されたという。
機能面で見ると、RADIDENはラジオ機能こそ備えているものの、実はさほど高機能ではない。カメラも備えていないし、内蔵ソフトウェアは「premini-Sからほぼ変わっていない」(ドコモ説明員)。
ラジオ機能にしても、電話機能と融合させて操作が分かりにくくなるよりは「表面は携帯、裏面はラジオ」と明確に分けた。iモード機能にラジオメニューを追加する……といった取り組みも特に行っていない。
「商品ターゲット的に、シンプルにしたほうがいいだろうと考えた。できるだけ独立で操作できるようにしてある」(永田氏)
永田氏はまた、40代~50代のユーザーはラジオで青春時代の音楽をノスタルジックに聴くことがあるのでは、ともコメント。そのあたりを訴求ポイントにしたいとした。
ムーバならではの小型端末――FOMA版は?
今回、RADIDENはムーバの成熟したプラットフォームを利用することで小型化を実現した。永田氏はムーバ端末なら開発が低コストで、しかも開発期間が短くて済むと話す。
気になるのは、FOMAでもラジオ機能が搭載されるのかという点。永田氏は「PDCのマチュア(成熟)になった小型化技術で、このサイズにようやく(部品を)押し込めているので……FOMAについては少し時間をいただくことになるだろう」と話す。
今後ユーザーニーズが高まり、市場で「良い製品だ」と判断されるならば、技術的課題がクリアされた時点で検討するとした。
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