「livedoor Wireless」とM1000の相性:短期集中ロードテスト「M1000」 No9
M1000に装備されている無線LAN機能。山手線圏内を中心にアクセスポイントを設置する公衆無線LANサービス「livedoor Wireless」との相性を試してみました。
M1000を使い始めてからずっと気になっていた公衆無線LANサービスがありました。山手線圏内を中心とした屋外にアクセスポイントを設置する「livedoor Wireless」(10月26日の記事参照)です。今のところ利用頻度が高そうな場所というより、設置可能かどうかを重視してアクセスポイントを置いている印象を受けますが、最近では都心を歩いているとアクセスポイントを目にすることもあります。
“気になった”のは基地局を見かけたからではなく、屋外をサービスエリアとする点がM1000向きだと思ったからです。筆者は「Mzone」「ホットスポット」「BBモバイルポイント」の3つの公衆無線LANサービスを利用していますが、いずれもサービスエリアは屋内が中心。屋内ならノートPCを開いたほうが便利なので、M1000の公衆無線LAN利用は駅の構内などが中心だったのです。屋外がサービスエリアなら、徒歩での移動中にさっと取り出して使えるM1000のメリットが生きてくるはず。通信コストの面でも無線LANのほうが積極的に使う気になります。またlivedoor Wirelessのアクセスポイント展開次第で、現在契約している「パケットパック60」を、もっと安いものに変更できるかもしれません。
livedoor Wirelessを利用するのに必要な「livedoor ID」は取得済みだったので、まずは「livedoor Wireless」のサービスだけを契約。有料サービスの開始は12月1日からに延びたので、まだ無料で使えます。サービス開始当初はM1000を含むPDAなどではブラウザの問題でうまくログイン認証が行えなかったようですが、それも解決したとアナウンスされています。
実際につないでみた場所は、青山三丁目駅付近にある「高橋是清翁記念公園」。M1000には事前にESSIDとWEPキーを設定しておきました。この公園は2・26事件で凶弾に倒れた政治家「高橋是清」の邸宅跡地をそのまま公開しているところで、夏場は涼しく過ごしやすい場所です。よく通る場所なので、アクセスポイントがあるのは既に確認済み。アクセスポイントから直線で20~30メートルほど離れた場所でM1000から接続してみました。
事前に設定済みの無線LAN設定で接続し、ブラウザを開くと「Livedoor Wireless」のログイン画面が表示されました。接続アカウントとパスワードを入力すると無事ログインできました。無線LANの強度を示すゲージは2本とあまり強くありませんが、それでもWebアクセスは快適です。
街中でノートPCを開くのは抵抗がありますが、M1000ぐらいのサイズなら周囲の目も気になりません。このあと、用事で築地に向かったのですが、ここでもちょっとした路地の電柱にアクセスポイントがありました。駅の近辺や繁華街で使えるようにアクセスポイントを展開してくれたら、M1000ではかなり使い勝手がよさそうです。あとはログイン認証を何らかの形で自動化してほしいところ。M1000の文字入力は、お世辞にも良くできているとはいいがたいので……。
コネクションマネージャーの裏話
ログイン認証つながりでちょっと別の話を。以前から筆者が利用していた「Yahoo!BB モバイル」と日本テレコムの「モバイルポイント」の2つサービスが統合され、「BBモバイルポイント」という新しい公衆無線LANサービスになりました。「Yahoo!BB モバイル」時代には試験サービスということで事実上無料で使えましたが、「BBモバイルポイント」では原則有料サービスとなり、単独では利用を申し込むこともできなくなりました。幸い筆者は提携ISPの1つであるSpinNetも利用しており、SpinNetユーザーは当面は無償で使えるようなので今も引き続き利用しています。そして「モバイルポイント」は10月からiPassとのローミングを開始しました。これが何を意味するかというと、「コネクションマネージャー」(9月2日の記事参照)を利用できる「ホットスポット」と同じ条件になったのです。
そこでモバイルポイントでiPass利用時の設定を行ってみました。ログイン用のIDとパスワードは、ブラウザでログインする際に利用するものと同じです。接続を試すと、あっさりつながってしまいました。これで筆者が利用している4つの公衆無線LANサービスのうち3つがコネクションマネージャーで接続できるようになりました。
気になるのはiPassローミングのログイン手順を利用すると、「利用がローミング扱いになるのでは」という点。今のところSpinNetの「当月接続時間チェック」を確認しても、接続されたことにはなっていませんでした。もっとも正式アナウンスされていない使い方なので、同じ方法で利用する人は、もしかしたら余分に料金を取られるかもしれない点に注意してください。筆者も編集部もこの点については責任を負いかねますので……。
ITmediaのライターが、普段使いの携帯電話の模様をレポートする連載記事です。1人のユーザーとして、端末やコンテンツをリポートします。この端末の「○○を調べてほしい」「この点をメーカーに聞いてほしい」といった要望を、ぜひお寄せください。ロードテストの中で、できる限り調査し回答していきます。
読者のニーズが機種を決定
なお、本ロードテストで使用する携帯機種は、読者の皆様のニーズに基づいて決定します。記事へのアクセス数の増減を目安とし、随時機種を変更していく予定です。
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