2006年、携帯電話業界はどうなる? :2005年の携帯業界を振り返る(5): (3/6 ページ)
年末対談もいよいよ最終回。「モバイルSuica」「ワンセグ」「番号ポータビリティ」などのキーワードを軸に、神尾寿氏と本誌編集長の2人が、携帯電話業界の2006年の動向を“大胆”予測する。
2006年夏、ボーダフォンが熱い!
ITmedia 携帯業界、夏の注目トピックは何があるでしょうか。
神尾 端末は各キャリアから出るでしょう。とくに春から夏にかけて、ボーダフォンから“本気の端末”が出る見込みです。ここで新たなサービスも発表されそうですね。
斎藤 “太田端末”ですね。ボーダフォンの太田さんは(編注:ボーダフォンプロダクト・サービス開発本部長の太田洋氏)、かつてJ-フォンの時に写メール端末からJava端末まで作った人で、ボーダフォンになってから一度辞めちゃったんですよね。彼がいたときのボーダフォン端末は最先端でした。Javaの仕様は素晴らしかったし、カメラも最先端だったし、カラー液晶を載せたのも……っていつの時代の話だよ、ていう感じですけど。でも、彼がいたからあのころのJ-フォンがすごかったのかは、分からないですが。
神尾 単純に、彼が辞めたタイミングとボーダフォンの元気がなくなったタイミングが重なっただけなのかもしれませんが、J-フォン時代を象徴するキーマンの1人であることは確かでしょうね。
ITmedia では、「夏はボーダフォンが熱い、かも」ということですね。
番号ポータビリティでキャリアの勢力図は変化するか
ITmedia 秋、11月にはいよいよ「番号ポータビリティ」が義務化されます。
神尾 移行手数料が決まっていないので断言はできませんが、大きくシェアが変わるかどうか、疑問です。冷静に考えると、経年割引が効いているので、auとドコモのユーザーは変わらない方が得じゃないかと思うんです。この2社の「サービス格差」や「料金格差」は、今はあまりないですから。少なくとも一般ユーザーが強く感じるレベルでは。
ITmedia ただ確実にツーカーは流れますよね。あと、ボーダフォンがシェアを守れるかどうかが1つの鍵になりそうですが。
斎藤 ボーダフォンから他キャリアへ移らないユーザーはどんな理由で残っているんでしょうか。
ITmedia 携帯電話に特に興味がなくて、写メールのときにJ-フォンにしたあとそのまま使い続けて、「気が付いたら私だけなんだよね」というような女性にはよく会います。
神尾 20代後半から30代半ばの女性、藤原紀香のCMで加入した世代ですね。
斎藤 「写メール」ブームで加入したボーダフォンのユーザーって、今どれくらい残っているんでしょうね。
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