W41CA「回転2軸で最薄」を実現するための、これだけの工夫:カシオに聞く「W41CA」(機構設計篇)(1/2 ページ)
ハイスペックだが、分厚い機種が多かったカシオ計算機製端末。しかしW41CAは、“回転2軸ヒンジ構造の折りたたみ端末としては最薄”を実現している。
「カシオに聞く『W41CA』」、後編は機構設計について紹介する。デザイン篇でも触れたとおり、W41CAは“回転2軸ヒンジ構造の折りたたみ型端末としては、最薄”という特徴を持つ。これを実現するために、各種の工夫を凝らしている。
カシオ計算機開発設計本部の機構設計グループ、永峯健司氏と、ハード設計グループ第1ハードチームのリーダー、川中健二氏に聞いた。
「W31CA」などとは「部品がほとんど違う」
カシオの端末は高機能なカメラや幅の広いディスプレイ、およびハイエンドな機能を搭載する場合が多く、性能を重視するユーザーからの評価が高い。フルブラウザ搭載+2メガカメラで注目された「W21CA」や、そのカラーバリエーション「W21CA II」、さらに3Mカメラ搭載の「W31CA」などがそうだが、これらの端末はややサイズが大きいという弱点があった。
「そこでW41CAでは、WINスタンダードの最強モデルにすべく、回転2軸ヒンジ構造を採用した端末としては最薄のものを作ろうと考えた」
端末名 | サイズ |
---|---|
W21CA | 約51×103×27ミリ |
W31CA | 約51×103×28ミリ |
W41CA | 約49×103×22ミリ |
だからといって、機能を削ぎ落として各モジュールをなくすというアプローチは取っていない。むしろ、FMラジオチューナーを搭載したり、赤外線機能を搭載したりと、カシオ端末としては初となる機能を複数盛り込んでいる。このため、薄型化には各部品を作り変える必要があった。
「W31CAなどと比べて、ほとんどの部品が異なる」(川中氏)。液晶にしても薄型化を図っているほか、よく見ないと分からないポイントではあるが、例えば端子部などもW31CAからは変えているのだという。
変更点で大きなものが、ヒンジ部の構造だ。永峯氏は、これまでの回転2軸ヒンジは「基本的に単純な折りたたみ構造の延長」だったと話す。具体的には、背面部と底面部をつなぐケーブルにフレキシブルケーブルを採用し、折りたたみを開ける/閉めるの動作でケーブルがたわむ/ひきしまるというデザインにしていた。
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