薄型3G端末「804SS」、130万画素カメラの実力は?:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/4 ページ)
ボーダフォンの薄型3G端末「804SS」は、厚さ14.9ミリのスリムなボディに130万画素CMOSカメラを搭載している。国内初となる韓国サムスン製端末のカメラ機能を検証した。
“薄さは正義”と主張しているかのごとく、ホントに板みたいで感心したのがボーダフォンの「804SS」だ。これだけ薄くて軽い折りたたみ型というのは、それだけでインパクトがある。
ボディを薄くするためには、どうしても機能の取捨選択が必要になってくるわけだが、その選択っぷりがなかなか個性的で面白い。カメラ機能に関係あるあたりでいうと、厚さ14.9ミリながら、130万画素相当のアウトカメラと30万画素のインカメラの2つのカメラは外さなかった。背面のサブディスプレイもしっかり搭載。さらにBluetoothも内蔵している。
逆に搭載されなかったのは外部メモリや撮影補助用のLED。マクロ機能もない。潔くポイントを絞った構成になっているのである。
少々変わった仕様の804SS
アウトカメラはディスプレイの裏、サブディスプレイの上のヒンジ近くにある。センサーは130万画素CMOSでもちろんパンフォーカス。マクロもなし。徹底したシンプル仕様だ。
面白いのは画素数。最大の解像度が一般的な130万画素機の1280×960ピクセルではなく、1280×1024ピクセルなのだ。縦横比も4対3ではなく5対4となる。PCのディスプレイでは1280×1024ピクセルは普通にあるし、メガピクセルになった当時のデジカメでも1280×1024ピクセルのものをよく見かけたが、最近では珍しい。
カメラ機能自体も、日本製端末とはいろいろとテイストが異なっていて面白い。日本の端末では、壁紙サイズまではケータイ向けに「縦位置」(ディスプレイは普通縦位置で使うから)、VGA以上のサイズではPC向け(あるいはデジカメ風)に「横位置」なのがポピュラーだが、804SSの場合は240×180ピクセル、320×240ピクセルとどちらも横位置だ。さらにVGAと800×600ピクセル、1280×1024ピクセルという構成になっている。ケータイ用、PC用という区別が全然ないのである。
カメラ機能の起動はメニューから、あるいは側面のシャッターボタン長押しで行う。起動は約2.5秒とまあまあの速度。
起動するとディスプレイがファインダーとなるわけだが、ここで注意が必要だ。どの画像サイズを選んでも、端末を縦に持って撮影すると横位置の写真が撮れるという仕組みだが、ノーマルやグリッド線ありのモードでは、130万画素モードでもフルスクリーンで表示されるのだ。一瞬、「縦位置撮影なの?」と思ってしまうが、実は、このモードでは「実際に撮影される画像の左右をカットした中央部だけが表示されている」のだ。これはちょっと珍しい、というか、分かっていないと間違える。確実に構図を把握するには、ファインダーメニューから「フルサイズビュー」を選ぶこと。すると、画面中央あたりに正しい縦横比でプレビュー画像が表示される。
撮影はかなり迅速だ。撮影から保存までにかかる時間は、フルサイズの最高画質でも3秒ちょっとと気軽に撮れる。
なお、外部メモリには非対応なので、記録先は内蔵メモリのみ。フルサイズの画像だとメールに添付できないので、PCとUSBで接続するか、BluetoothでPCに送ることになる。Bluetooth内蔵携帯は各キャリアから出ているが、モデム機能とヘッドセットにしか対応していない端末も多い中、804SSはBluetoothのファイル転送をサポートしているのがうれしい。
撮影機能はとてもシンプル。シーンモードもないしナイトモードのような暗所撮影用機能もない。さらに言うと、ストロボ代わりのライトも内蔵していないのである。できるのは明るさの変更とホワイトバランスの調整のみだ。あとはエフェクトでセピアとかモノクロが選べるくらい。
ただ上下と左右反転機能はちょっとユニーク。左右反転機能(鏡像ですね)は自分撮り用として装備することはあるけど、804SSではすべての撮影モードで上下左右の反転ができるのだ。
もう1つ、撮影機能はすごくシンプルだが、その分再生時に写真を加工する機能が凝っている。撮った写真に対して、色をいじったりエフェクトをかけて油絵調にしたりできるのだ。これは面白いのであとでまとめて紹介する。
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