MNP受け付け停止、主因は家族割引──ソフトバンク孫社長(2/2 ページ)
ソフトバンクモバイルの孫正義社長は、10月28日と29日にMNP手続きを停止した原因と対策を説明。同氏はその席上で「反省しているが、流動性を高めるという点ではMNPに貢献している」と話した。
接客時間は店員の慣れとともに短くなる
孫社長が「シンプルにした」とする新料金体系のせいで、かえって料金プランが複雑になり、店頭での接客時間が延びているのではないか、と指摘する声も上がったが、これには「シンプルに安いということをご理解いただけるよう、見直しも含めて日々よりよい料金プランに変更している。問題だと指摘されるところがあれば、できるだけ早く改善していっている。基本的には販売員が慣れてくれば解決される問題」との認識を示した。
「最初にスーパーボーナスを始めたときも説明にかなり時間を要していたが、2週間ほどでみな慣れてきた。時間が経てば新聞や雑誌の解説も出てくるし、我々も解説用の資料やビデオを用意する予定だ。今回も徐々に慣れていくことを期待している」(孫氏)
店頭ではブループラン(ドコモ)、オレンジプラン(au)、ゴールドプラン、ソフトバンク向けの従来の料金プランと大きく分けても4つの料金プランを把握しておく必要があり、販売員の苦労は並大抵のものではないと推察されるが、接客に要する時間は“他社より安い”という点の徹底と“慣れ”で短縮可能だという。
ディズニーランドも、オープン初日は混雑して人が入りきれなかった
システムダウンにより手続きが滞ってしまうという問題を起こしたソフトバンクモバイルだが、冒頭でも述べたようにその理由は「新料金プランが好評なうえ、MNPを利用した転入出者が多かったため」としており、番号ポータビリティでの転出者が増えたのが原因、との推測は否定した。
「お客様が想定していたよりもたくさんいらしてくださるというのは、今までの料金体系に不満を持っていたお客様がたくさんいらっしゃったからだと言えると思う。お客様に対して歓迎されるプランを発表できなかったなら、これほどお客様は来てくださらなかっただろう」(孫氏)
この6日間の具体的な番号ポータビリティ転入出数については、基本的に新料金プランなどの受け付けが2日遅れの10月26日から始まったために、6日間だけを抽出すると「イレギュラーな形になってしまう」との理由で明らかにしなかった。「FAXでの注文や入力中の数字などもあるので、ソフトバンク本来の力の数字はまだ分からない」と孫氏。「ただ私自身は26日以降は転入が多いと感じている。登録に関わるシステムがしっかりしていれば、もっと多くのお客様が獲得できたと思っている」と話した。
「受け入れ能力が足りなさすぎて、ご迷惑をおかけしたことは確かに反省している。ただ、ディズニーランドもオープン初日には人が押し寄せて入れない人もいるほどだった。MNPの本質である“流動性を高める”という点では貢献している。また、より競争を促進させて、お客様に利益を還元させるという点においても一生懸命頑張っているということは心のどこかに留めておいていただきたい」(孫氏)
会場では番号ポータビリティの受け付けを停止していた10月28日、29日に通常通りCMを流していたことにも言及があったが、これについては「変更することも検討はしたが、10月30日からは通常通り受け入れることができたので、流し続けることにした。一応今のまま様子を見る。本来はあってはならないことだが、もし今後大きなトラブルが再発するようなら検討しなおす」と述べるにとどめた。
また「世界一高い」としていた携帯料金については、「統計の取り方によっていろいろあるが、私自身は携帯料金が高いと感じていた」と孫氏。「若者が携帯の料金を払うためにアルバイトをするような状況はおかしいのではないか、と思いこのような0円施策を打った」とその心中を明かした。
「複雑怪奇な料金体系を、プランが3つだけのシンプルなものにした。他社への通話料が高い場合もあると言われ30秒20円にした。割賦払いの期間は2年では長いという指摘があり、1年、1年半のプログラムも用意した。できるだけ混雑を解消できるような手を一歩一方っている。しかし店頭はまだ混雑しているので、多くのお客様に引き続き大変ご迷惑をかけると思うが、誠心誠意、日本の携帯電話業界に健全な競争とサービスを提供していきたい」(孫氏)
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