ソフトバンク、モバイルWiMAXの実証実験を開始
ソフトバンクグループのソフトバンクモバイル、ソフトバンクBB、ソフトバンクテレコムが、2.5GHz帯を使ったモバイルWiMAXの実証実験用無線局免許を取得した。葛西エリアで商用化に向けた実験を開始する。
ソフトバンクモバイルほかソフトバンクグループは12月11日、「モバイルWiMAX」(IEEE802.16e-2005)の実証実験用無線局免許を総務省から取得したと発表した。同社は7月20日に、総務省に対して同免許の申請を行っていた(7月20日の記事参照)。
免許申請と実験主催はソフトバンクモバイルが行い、ソフトバンクBBとソフトバンクテレコムが実験に参加する。またモトローラ(基地局、実験用端末)や日本ヒューレット・パッカード(技術支援)、ローデ・シュワルツ・ジャパン(解析器、測定技術)、東陽テクニカ(電子計測器)、仏SEQUANS Communications(チップセット、ソフトウェア)、構造計画研究所(GUIツール開発)なども実験に協力する。
今回の実証実験では、実用化を視野に入れ、2.5GHz帯の20MHzを使って行なう。無線伝送特性の評価や周波数利用効率の検証、W-CDMAとモバイルWiMAX間のハンドオーバー実験などを計画している。
基地局は東京都江戸川区葛西エリアにある既存のW-CDMAの基地局局舎に5局13セクター構成で併設し、モバイルWiMAXに対応した実験用携帯端末を25台利用する、日本で最大規模のモバイルWiMAXフィールド実験になる。端末には複数のアンテナで同時に送受信を行いデータの合成と複合を行うMIMO(Multiple Input Multiple Output)を搭載しており、MIMO非搭載の端末と比べて理論値で約2倍のスループットを目指す。
葛西を選んだ理由としてソフトバンクでは、「都市部環境と郊外環境が混在し、両環境においてモバイルWiMAXの性能を効率よく評価することができるから」としている。なお、すでにイー・アクセスも東京都の城南地域に3つの基地局を設置し、2.5GHz帯を用いたモバイルWiMAXの屋外実証実験を開始している(7月18日の記事参照)。
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