Pantechグループの企業再建が本格化
韓Pantechグループの主債権銀行である韓国産業銀行が、同グループの再建案として新たな資金投入や社屋の売却などを発表。本格的なワークアウト(銀行主導による企業再建プログラム)を開始した。
韓Pantechグループの主債権銀行である韓国産業銀行は4月19日、Pantechグループの債権額1兆1634億ウォン(約1487億円)の償還を2011年まで猶予すると同時に、新たに運用資金として1200億ウォン(約153億円)を支援すると発表。同グループに対する本格的なワークアウト(銀行主導による企業再建プログラム)を開始した。同行では、総債権額の99.6%の同意を得られたため、ワークアウトに突入したと説明している。
今後、Pantechは5月まで20対1、Pantech & Curitelは30対1の減資を行った後、Pantechに対しては1512億ウォン(約193億円)、Pantech & Curitelに対しては3046億ウォン(約389億円)の出資転換を行う。さらにPantechグループの新社屋などを計1600億ウォン(約205億円)で売却し、うち800億ウォン(約102億円)を運用資金にあてる。
Pantechグループは今回の措置に対し「企業改善プロジェクト開始に対する立場」という声明を発表。「過去の過ちを徹底して反省し、新たな出発という気持ちで再度飛躍します」と宣言した。
2006年末、債権銀行団によりワークアウトが決議されたPantechグループ(2006年12月の記事参照)。その後すぐに会計法人による資産の監査手続きが行われ、2月末に「精算よりも、企業を継続する価値のほうが大きい」という判断が下された。金融機関を中心とした債権者との債務調整は済んだが、個人債権者を中心に再建案の同意を得るのが難航。結局、債務調整案が決定したのは3月中旬で、ワークアウトの本格開始も、予想より大きく遅れていた。
今後Pantechグループは、自社製品の「選択と集中」戦略により、海外輸出モデルを2006年の約50種から半分程度に減らし、注力市場の日本および米国には付加価値の高いスマートフォンやHSDPA端末を戦略的に展開していく。
一方韓国の国内市場に対しては、3G端末の比率を全販売量の30%まで増やし、収益性を上げていく方針だという。
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