今買うならどっち?――「D01NE」「D01NX」徹底比較(後編):「D01NE」「D01NX」 レビュー(3/3 ページ)
ノートPCでモバイルブロードバンドを実現するイー・モバイルのデータ通信カード「D01NE」と「D01NX」の徹底比較後編は、通信速度や消費電力、移動時の安定性や地下街・地下鉄での使い勝手を検証する。
課題は多いが、ノートPCのネット環境を一変する可能性を持つ
今回筆者は、+D Mobile編集部で購入したD01NEと、私物として購入したD01NXを約2カ月半使用した。これまで外出時のネット接続には、主に公衆無線LANスポットを利用しウィルコム端末で補完してきたが、D01NEとD01NXを導入することで利用スタイルは一変してしまった。ノートPCのPCカードスロットには常にD01NEかD01NXが収まり、インターネット接続のほとんどをイー・モバイルで行うようになった。
もちろん、接続する際には確実性の高い“地上の施設”を選んでいる。ノートPCの利用にはファストフード店やカフェなど、ある程度腰を落ち着けられる場所が必要だが、そういった店舗はほとんどイー・モバイルが利用できる。公衆無線LANのように、ネットにつながる「点」を探すわけではないため、エリア選びはさほど苦にはならない。
現状、エリア内だからといってどこでもつながるわけではないが、ノートPCを快適に利用できる場所が一気に広がったことは間違いない。
通信速度については、現時点で絶対ユーザー数が少ないことを考慮する必要があるだろう。しかし、Webアクセスやメール送受信を中心に利用する限り、公衆無線LANと比較しても大きく不満を感じることはない。筆者の場合、仕事の関係上10~20Mバイト単位のファイルを送信することが多く、最大384Kbpsという送信速度はちょっと遅いかなと思うことはあったが、贅沢な悩みというものだろう。
とはいえ、根本的なサービスエリアの狭さを始めまだまだ課題は多い。携帯電話やPHSが当たり前に使える地下街も、「使える場所もある」というレベルで、地下鉄駅構内を含め、いつサービスエリアになるのか発表されていない。
EM・ONEユーザーにも同じ事が言えるのだが、D01NXで予定されているWindows Mobile端末やLinuxザウルスでの利用が可能になった場合、地下街や地下鉄駅構内で利用できないのは大きな不満となるだろう。
地下街・地下鉄構内などは、既存キャリアが共同で小型基地局を設置しており、イー・モバイルのような新規参入組が入り込むには、いろいろと大人の事情があるのだろうが、せめてサービス開始時期の目処だけでも掲げて欲しいところだ。おそらく、2008年3月の音声通話サービス開始時に具体的な動きがあると思われるが、それまでは手を出せないという人も多そうだ。音声通話開始時に“地下街・地下鉄駅構内で利用できません”では話にならないだろう。
月額5980円(もしくは4980円)という料金は、誰もがポンと捻出できる金額ではない。しかし、携帯3キャリアのフルブラウザ用定額プランがほぼ同水準であることを考えると、相対的にはリーズナブルといえるだろう。
ウィルコムと比べるとサービスエリアの広さでは勝負にならないが、やはり料金がリーズナブルといえる。つなぎ放題[2x]プラン(4263円:年間契約+A&B割適用)よりは高いが、つなぎ放題[4x]プラン(7938円:年間契約+A&B割適用)よりは安い。自分の利用範囲とサービスエリアが合致すれば、PHSと3Gの速度差は圧倒的だ。
まだまだ課題も多く、当面は大都市圏の地上のみでの利用となるが、行動圏がマッチする人にとってはイー・モバイルのデータ通信カードが大いに魅力的な事も事実だろう。
おりしも今年は「UMPC」元年となりそうで、先に発表された富士通製の「FMV-U8240」もしっかりとCFスロットを備えている。このような小型PCとイー・モバイルのデータカードを組み合わせれば、より制限の少ない極めて魅力的なモバイル環境を実現できるだろう。
とにかく今はサービスエリアの早期拡大に期待したいし、サービスエリア内であれば安心して利用できるように不微感スポットの改善も進めて欲しいと思う。
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今買うならどっち?――「D01NE」「D01NX」徹底比較(前編) (1/4)
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