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実機化されることをベースに作りました──au design projectの「actface」Mobile Weekly Top10

新たなau design projectのコンセプトモデルとして登場した「actface」。ユーザーの使い方に対応して街が変化するPLAY、キー操作の反応に応じてさまざまな水墨画が描かれるRhythm──こうしたUIは、細かい調整は必要ながら、今の技術で実現できると開発陣は話す。

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+D Mobile Weekly Access Top10

2007年08月16日~2007年08月22日

  1. ドコモ「905i」シリーズがJATE通過
  2. 2007年上半期、最も売れたケータイは? au編
  3. W52Tと何が違う?──ハイエンド端末「W54T」は“ここ”が進化した
  4. ケータイを“昭和の黒電話”にするキット──東洋コネクター
  5. 第7回 KDDI 高橋誠氏──純増数でソフトバンクに抜かれ、スイッチが入った
  6. 2007年上半期、最も売れたケータイは? ドコモ編
  7. ウィルコム、「W-VALUE SELECT」適用機種を拡大――「WX310K」や「9(nine)」も
  8. 夏モデルよりらくらくホン──早くも9月の“親商戦”開始の気配
  9. ドラマで使われるケータイたち 2007年夏──ドコモ編
  10. ドコモ、コンパクトなスライドワンセグケータイ「D704i」を8月23日に発売

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 お盆休みを挟んだランキングは、「2007年上半期、最も売れたケータイは?」「ドラマで使われるケータイたち 2007年夏」などの特別企画記事に注目が集まった。そんな中でトップを飾ったのが、「905i」のJATE通過記事。去年の秋冬モデルは番号ポータビリティの開始を控えていたこともあり、8月28日にau(2006年8月の記事参照)、9月28日にソフトバンクモバイル(2006年9月の記事参照)、10月12日にNTTドコモ(2006年10月の記事参照)が発表会を行うなど、例年に比べて前倒し気味の発表が続いた。2007年はどんな端末がいつ発表されるのだろうか。

「actface」は今の技術で実現できるのか

 2006年は1回の発表会で10機種超が発表されるなど、機種数の大幅な増加が特徴だった。しかし、各キャリアとも似たようなサービスや機能を提供しており、大ヒット端末を生み出すのが難しくなったという声も開発サイドから挙がっている。

 そんな中、KDDIが着目するのがユーザーインタフェース(UI)。2007年のau design projectのコンセプトモデルは、ユーザーに“いかに愛着を持って使ってもらうか”にフォーカスした3種の端末が登場した(記事1記事2記事3参照)。

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左が携帯の操作に水墨画を結びつけた「Rhythm」、右がシミュレーションゲームの要素を携帯に取り入れた「PLAY」。「PLAYだけではユーザーの幅が狭くなるので、年配の人から若い人、外国の人まで幅広い支持を集める水墨画を使ったRhythmも作りました」(河田氏)

 その1つがチームラボが開発した「actface」だ。形は普通の折りたたみ型ながら、背面と内側は全面がディスプレイという構成のこの端末は、キーボード部分に透明のボタンを配したタッチパネルを採用するなど、使い勝手は今までの携帯の作法を踏襲しながら、ユーザーインタフェースでこれまでにない楽しみ方を提案している。

 この端末の開発に関わったチームラボのアーキテクト、河田将吾氏によると、初期段階では携帯の形についてもさまざまなアイデアが出ていたという。「パラパラっと開くような屏風型とか、扇子型とか……。でも、猪子(チームラボの代表を務める猪子寿之氏)が、『それじゃ使いにくい。やっぱりケータイはパカパカ(折りたたみ)』だと(笑)」。

 ユーザーの利用に応じて街が変化するPLAY、キー操作の反応に応じてさまざまな水墨画が描かれるRhythm──。いずれも今までにはないUIで、使ってみたいと思う人もいるだろう。

チームラボのマーケティングプランナー、坂本恭一氏

 actfaceの開発を担当したチームラボのマーケティングプランナー、坂本恭一氏は、「実機化されることをベースとしてコンセプトモデルを作成しているので、携帯全体のスペックやデータ容量の問題などはトライアンドエラーが必要になるが、ある程度のことは今のテクノロジーでコンセプト通りに実装できる」と話す。

 「PLAYは使えば使うほど街が変化するUIですが、電波状態や時間帯、よく電話する人などの情報は端末側が持っているので、それと紐付けたFlashのアニメーションを用意できればできると思います」(坂本氏)。Rhythmについても、操作に対するリアルタイムなインタラクションはソフトウェアで対応できるという。

 ただ、製品化するにあたっては、まだ工夫の余地があると坂本氏。「実機の中にactfaceのUIを取り入れるときには、普段の“携帯を使う”という行為に対して煩わしさを与えるものであってはならないし、もっと人がハマれるようなギミックをつけていかなくてはならないでしょう。エンターテインメントとして洗練されていかないと難しい一面もある。うちが手がけるなら、そこには配慮したいですね」(坂本氏)

 機能やサービスが横並びになる中、携帯開発の現場は売れる端末作りに頭を悩ませているという話を聞くが、坂本氏はソフトやUIの部分では、まだ工夫の余地があるのではないかと話す。

 「ちょっとした使いにくさや(使い方が)分からないことを変えていくべきだと思う。アプリがブラッシュアップされることで解決できる部分がまだまだあるような気がします」(坂本氏)。actfaceには、利用シーンに応じて表示される文字が変わったり、必要な機能だけがハイライトされるフィジカルタッチスクリーンという機能を搭載することで、使いやすさに配慮した。「よく使う機能順に、メニューに機能が表示されたりするのも、便利かもしれないですね」(坂本氏)。

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