「ハタハタ」に「スクルド」、名前も中身も個性的なW-SIM開発環境:CEATEC JAPAN 2007
WILLCOMコアモジュールフォーラム(WCMF)ブースでは、SIM STYLEジャケット端末の開発環境を多数展示。参入企業へのサポートを充実させることで、柔軟に端末開発が行えるとアピールしている。
CEATEC JAPAN 2007のWILLCOMコアモジュールフォーラム(WCMF)ブースには、ウィルコムのW-SIMを使う音声端末や、通信機能を持つPDAやPND(Personal Navigation Device:簡易型カーナビ)を開発・検証するための開発環境も数多く出展された。WCMF事務局は、無線部分が独立したW-SIMを使えばSIM STYLEジャケットの開発は携帯電話に比べ容易だが、経験の少ない企業には障壁が大きく、また経験があっても規模によってはコストに見合わない場合があるという。企業向けの開発キットなどが充実すれば、これまで以上にさまざまな端末が登場するほか、より専門性の高いや特殊用途向け端末が登場することが期待される。
ソフィアシステムズの「Sandgate III-P」は、マーベル製PXA310プロセッサ624MHzを搭載した携帯情報端末/IP電話向け開発プラットフォーム。OSはMicrosoft Windows Embedded CE 6.0およびLinuxに対応する。ソフィアシステムズの説明員によると「こうしたプラットフォームがケータイの形をしているのは珍しく、最終的な製品段階に近いイメージで開発できるほか、持ち運びが便利と好評」とのこと。会場では拡張ボードを介して、PXA300シリーズプロセッサ対応のエミューレータ/デバッカの「EJ-Debug」を接続していた。
フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン(以下、フリースケール)は、W-SIMを搭載するWindows VistaのSideShowデバイス開発キットや、「Skuld」と呼ばれるi.MX31(ARM11)搭載PHS開発用のリファレンスボード、DDを接続したフリースケールの開発パートナーである株式会社アットマークテクノのCPUモジュール「Armadillo-500」をデモしている。
Skuldは、フリースケールのアプリケーションプロセッサi.MX31とW-SIMを組み合わせた製品を規格・開発するための環境。販売はされておらず、WCMFのワーキンググループ活動に活用するため会員向けに無償提供されている。ちなみに名前の由来は某女神さま3姉妹の三女とのこと。
アキタ電子システムズの「Hata-Hata」は、ルネサステクノロジ製のアプリケーションプロセッサ「SH-Mobile」(SH7722)を搭載するリファレンスプラットフォーム。Windows CEベースのW-SIM搭載PNDをイメージしたデモを行っていた。単独で販売はせず、製品の企画・開発を希望する企業への技術提供、開発請負を目的としている。アキタ電子システムズは(社名から伺えるが)本社が秋田県にある企業で、Hata-Hataの由来は名産品“ハタハタ”から。
“PHSをプラモデルの用に組み立てられる”というシンビーの「PHS組み立てキット」。通話・通信やアプリケーション制御、GUIなどのPHS用ソフトをライブラリ群にしたもので、端末開発やモバイル向けのアプリケーション開発に活用できる。シンビーは「9(nine)」を開発したケーイーエスのパートナー企業で、9(nine)開発時のノウハウを生かして作られたソリューションだという。
名前はウィルコムの「プラモフォン」を意識したもので、外観を自由に作れるようになったので、次は中身(ソフト)を自由に作れるようにという願いが込められている。
NECシステムテクノロジーは、2006年にアサヒビールのキャンペーン賞品として登場したW-SIM対応のスーパーワンセグウォッチと、ワンセグウォッチ開発時の経験から作られたW-SIMエミュレータ(仮)を出展。残念ながらどちらも展示のみだった。
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