春モデル向けの新サービスをチェックする――au編(前編)
最大の商戦期に向けて通信キャリアが投入する春モデルには、さまざまな新機能やサービスが用意される。ソフトバンクモバイルに続き、auについても春モデル向けサービスの詳細をチェックした。前編では「フェイク着信」「ライフスタイル・メインメニュー」「GLOBAL PASSPORT」を見ていく。
KDDIは、春モデルの投入に合わせて、さまざまな新サービスや新機能を提供する。本企画の前編では、「フェイク着信」「ライフスタイル・メインメニュー」「GLOBAL PASSPORT」について、機能やサービスの詳細をチェックする。対応機種には2008年に発売されたKCP+端末「W56T」「W54S」「W54SA」と、シャープのKCP端末「W61SH」も含めている。
「au oneガジェット」「au Smart Sports Run&Walk」「LISMO オーディオ機器連携」については、以下の詳細記事を参照してほしい。なお、KDDIによればau oneガジェットは「2月21日時点で9種のサードパーティ製ガジェットが登場しており、反響も上々」(KDDI広報)とのことで、今後のラインアップの増加が期待できるという。
- →春モデル向けの新サービスをチェックする――au編(後編)
- →au one ガジェット
- →携帯がパーソナルトレーナーに「au Smart Sports Run&Walk」
- →KDDI×ソニー、着うたフルをウォークマンで楽しむ新プロジェクト
- →au携帯、家族への国内通話24時間無料に──「家族割+誰でも割」併用で
- →Cyber-Shot、防水、3インチ有機EL、スポーツファッションなど10機種──KDDI、au2008年春モデル発表
- →大型有機ELや「音楽×スポーツ」で「多様なニーズに対応」 au春モデル
ニセの着信で不審者を遠ざける――フェイク着信
春モデルの3機種が対応した「フェイク着信」は、文字通り“ケータイで話しているように見せかけて”不審者などから身を守るための機能だ。あらかじめ設定しておくことで利用でき、発話キーを長押しすると着信音が鳴ってあたかも電話がかかってきたかのように見せかけられる。利用者は着信音が鳴ったらもう一度発話キーを押し、通話するふりをすればいい。
発話キーを押したあとの端末側の機能は端末によって異なる。W61Kは「今、どこにいますか」などというガイダンスが流れ、これに答えることで、よりリアルに“通話のふり”ができる。W61SHは発話キーを押したあとは無音のため、自分で考えて話すふりをすることになる。なお、この機能はマナーモード時にもフェイクの着信音が鳴るので、いざという時でもマナーモードをオフにすることなく利用できる。
よく使うサービスにすばやくアクセス――ライフスタイル・メインメニュー
ライフスタイル・メインメニューは、自分の生活シーンに合ったメニュー画面を設定できる機能で、端末内の機能だけでなく、よく使うサイトにもメニューからアクセスできるようにするものだ。基本機能を表示するメニューに加え、スポーツ好きな人向けのメニューや女性向けのメニューなどが用意される。メニューに表示する機能や並び順はメーカーによって異なるようだ。
ケータイアレンジをオンにすることでライフスタイル・メインメニューへの切り替えが可能。京セラ製の女性向け端末、W61Kには「Pure Water」「Window」といった基本メニューに加え、メニュー内に「ライフ&コミュニティ」「マルチメディア」「グラフィックメモ」などのアイコンが並ぶ「Chocolate」、「ライフ&ニュース」「カレンダー」といった機能をメインメニューに配した「Casino」がケータイアレンジデータとしてプリセットされる。
ライフ&コミュニティの第2階層には「コミュニティへ接続」「グルメへ接続」「占いへ接続」という機能が並び、メニューをたどることなくEZweb上の各コンテンツにアクセスできる。ライフ&ニュースの第2階層に並ぶのは「最新ニュースへ接続」「旅行へ接続」「グルメへ接続」「乗り換え案内へ接続」「マネーへ接続」といった実用的な機能だ。
ライフスタイル・メインメニューの対応機種は、W61SA、W61T、W61S、W61CA、W62SA、W61H、W61K、W61P、W62Sの9機種。
GSMのデータローミングにも対応――「GLOBAL PASSPORT GSM」「GLOBAL PASSPORT CDMA」
これまでauの国際ローミングサービスは、日本で使っている端末を海外に持ち出して利用する「GLOBAL PASSPORT」と、au ICカードを海外端末に差して利用する「GLOBAL EXPERT」の2つで構成されていた。KDDIはこのサービスを3月15日から「GLOBAL PASSPORT」に統一し、対応するネットワーク方式ごとに「GLOBAL PASSPORT GSM」と「GLOBAL PASSPORT CDMA」という名称に変更する。
「A5527SA」「A5514SA」などのように、海外のCDMAエリアにそのまま持ち出して利用できるのは「GLOBAL PASSPORT CDMA」対応端末、今春発売予定の「W62S」のように、国内ではWINのネットワークに対応し、海外ではGSMネットワークを利用できるのは「GLOBAL PASSPORT GSM」対応端末ということになる。
KDDIは、3月15日からGLOBAL PASSPORT GSMとGLOBAL PASSPORT CDMAの通話料金を一部値下げするとともに、グローバルパスポート CDMAのパケット通信料(Eメールの送受信、EZweb)を改定。パケット通信料は0.35円/パケットで利用できるようになる(改訂前の料金は1.5円/パケット)。
また、GLOBAL EXPERT GSMではデータローミングが可能になり、W62Sのユーザーは海外でEメールやCメールの送受信、EZweb、PCサイトビューアーを使ったWeb閲覧が可能になる。利用料金はEメール送受信/EZweb/PCサイトビューアー利用時が50パケットまで50円で、50パケットを超えると0.2円/パケットの従量課金になる。Cメールは受信が無料で、送信は1通あたり100円が課金される。
対応エリアはGLOBAL PASSPORT CDMAの音声通話が23の国や地域、データ通信が13の国や地域。音声、データともに欧州の対応エリアは少ないが、米国、ハワイ、中国、韓国、タイ、台湾、カナダ、グアム、サイパン、インド、インドネシア、イスラエルなどの国や地域はカバーしている。
GLOBAL PASSPORT GSMは欧州、アジア、北米、中南米、オセアニアなどの約180の国や地域で利用できるが、韓国にはGSM網がないため非対応となる。なお、GSMのデータローミングは当初、約100カ国が対応するという。
GLOBAL PASSPORT GSMのデータローミング対応エリア(2008年2月22日時点) | |||
インド | バーレーン | アイルランド | ポーランド |
インドネシア | アルゼンチン | アゼルバイジャン | ボスニア・ヘルツェゴビナ |
カンボジア | アルバ | アゾレス諸島 | ポルトガル |
キプロス | モロッコ | イギリス | マディラ諸島 |
シンガポール | レユニオン | ガーンジー島 | マルタ |
スリランカ | オーストラリア | ジャージー島 | モナコ |
タイ | グアム | タークス諸島・カイコス諸島 | エストニア |
台湾 | サイパン | チリ | オーストリア |
中国 | サモア | ドミニカ共和国 | オランダ |
パキスタン | ニュージーランド | ドミニカ国 | ギリシア |
バングラデシュ | ハワイ | ハイチ共和国 | グルジア |
フィリピン | アラブ首長国連邦 | バハマ | サンマリノ |
ブルネイ | アンギラ | バミューダ諸島 | スイス |
ベトナム | アンティグア・バーブーダ | パラグアイ | スウェーデン |
香港 | ウルグアイ | バルバドス | スペイン |
マカオ | 英領バージン諸島 | マン島 | スロバキア |
マレーシア | グレナダ | イタリア | スロベニア |
モルディブ | ケイマン諸島 | ウクライナ | セルビア |
モンゴル | ジャマイカ | ウズベキスタン | チェコ |
エジプト | セントクリストファー・ネイビス | トルコ | デンマーク |
カナリア諸島 | セントビンセントおよびグレナディーン諸島 | ノルウェー | ドイツ |
ケニア | セントルシア | バチカン | ラトビア |
ジンバブエ | ブラジル | ハンガリー | リトアニア |
南アフリカ | メキシコ | フィンランド | リヒテンシュタイン |
モーリシャス | アメリカ(アラスカ) | フランス | ルーマニア |
イスラエル | アメリカ(本土) | ブルガリア | ルクセンブルグ |
クウェート | カナダ | ベラルーシ | ロシア |
サウジアラビア | アイスランド | ベルギー | - |
GLOBAL PASSPORT CDMAのデータローミング対応エリア(2008年2月22日時点) | |||
インド | 台湾 | サイパン | グアム |
インドネシア | 中国 | ハワイ | アメリカ(本土) |
韓国 | ベトナム | イスラエル | カナダ |
タイ | - | - | - |
輻輳の影響なしに災害情報を配信――緊急地震速報
緊急地震速報は、気象庁が配信する地震情報を災害対象地域にプッシュ配信するサービス。輻輳(ふくそう)に影響されない配信システムを利用することで、遅延の影響を受けることなく、災害情報の一斉配信を行えるという。なお、サービスの利用に料金はかからない。
初期状態ではオフに設定されているため、利用にあたっては[メール]キーの長押し→緊急地震速報→受信設定にアクセスし、オンに設定する必要がある。
対応機種はW61SA、W61CA、W62SA、W61H、W61K、W61SHの6機種。
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