三菱電機、携帯端末から撤退──“D”端末は「D705i」「D705iμ」で歴史に幕
三菱電機は3月3日、携帯電話端末事業から撤退することを明らかにした。「D906i」などの新端末の開発は行わず、すでに納入済みの機種をもって新機種の投入は終了する。
三菱電機は3月3日、携帯電話端末事業からの撤退を発表した。
現在開発中の端末は開発を終了し、今後の新端末投入は行わない。ドコモ向けに納入した「D905i」「D705i」「D705iμ」をもって、新機種の投入は終了する。端末のアフターサービスや「D902i」「D902iS」「D903i」用バッテリーパック「D06」の回収は、端末事業終息後も引き続き対応する。
三菱電機は、1983年に電電公社に自動車電話端末を納入して以来、約25年に渡ってNTTドコモ向け端末の開発・製造を行ってきた。ドコモのFOMA端末としては、スライド型のボディを早くから採用し、一部に根強いファンがいる。しかし、近年は出荷台数が減少していた。三菱電機では撤退の理由を「業績改善の見通すことが非常に難しくなっているため」だとしている。2007年度の出荷台数は約210万台の見込みで、売上高は2007年度で約1000億円程度の見込み。
携帯電話の開発、製造、営業を担当している約600人の従業員は、NGN関連機器や携帯電話の基地局をはじめとする通信インフラ事業、トータルセキュリティ事業、カーマルチメディア事業、FA(ファクトリーオートメーション)システム事業、鉄道車両情報通信システム事業などの戦略的事業に再配置する。同社は富士通とFOMA端末の共同開発を行ってきたが、他社への端末事業売却などは行わない。
端末事業からの撤退に伴う2008年3月期の一時損失は約170億円(税引前利益)と見込むが、他の事業の業績改善などにより吸収できる見込みで、通期の業績予想は修正しない。なお子会社の端末販売会社ダイヤモンドテレコムは、引き続き端末販売業務を継続する。
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