レビュー

かなり優れた“Bluetoothモデム”だ──イー・モバイルの「H11T」をデータ通信端末として使いこなすBluetooth+MacでもOK(2/4 ページ)

イー・モバイルの音声端末第1弾「H11T」。回転2軸ボディにワンセグや320万画素AFカメラ、ドコモの国内ローミング機能などを備える“普通”のケータイだが、実はかなり安価に導入できるデータ通信端末でもあった。このH11Tのデータ通信利用時における使い勝手や通信速度を検証した。

通信速度はどうか──D01NXと比較

 イー・モバイルをモバイルインターネット接続中心に利用したいユーザーの場合、データ通信専用の端末にするか、音声通話も兼ねられるH11Tにするか迷う人も多いかもしれない。イー・モバイルは、音声サービスに関して別途必要とする基本料金が不要であるため、とりあえずはどちらを選んでも大きな料金差がほとんどないといえる。では、重要な通信性能はどうか。とりあえず筆者が契約する「D01NX」と比較してみよう。

 まずは電波状況。電波アイコンがH11T、D01NXともに安定して3本表示される場所として、東京23区内幹線道路沿いに建つ建物2階のファストフード店窓際で比較をしてみる。通信速度の計測は速度チェックサイト「Radish Network Speed Testing」を利用。それぞれ3回ずつ計測した(明らかに異常と思われる結果が出た場合のみ再計測した)。

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机に横置きする普段の利用シーン以外に、このように立てた状態で計測も行った

 通信結果は上記の通り。なお、H11Tの3G通信アンテナは本体内蔵型であり、ダイヤルキー側ボディの先端部にアンテナを内蔵している。試しに端末を立てて(ヒンジが上に来るように本体を立てて)設置して計測も行ったが、誤差以上の違いはなかった。なお、ピーク速度、平均速度ともにデータ通信端末のD01NXがやや上回ったが、体感できるほどの差はない。この結果でどちらが確実に優れているとは判断しにくい。

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※初出時に「H11Tの3G通信アンテナはヒンジ側に内蔵していると思われる」との記載がありましたが、誤りでした。お詫びして訂正します

 次は電波状態がやや悪くなる屋内に移動して計測してみよう。

 計測場所は東京都23区内の駅直結ビルの喫茶店。ここは半地下にあり、中途半端に屋外からの電波が届くためか、どのキャリアも地下施設用の小型基地局を設置していないようで、イー・モバイルのほかにドコモやau、ソフトバンクモバイルも場合により圏外となってしまう場所だ。

 ここでは電波の通り道であろう通路が見通せる位置で計測。机上に棚があったので、PCのすぐ横にそのまま横置きする以外に、少し上方に設置できるこの棚へ置いた計測も行った。無造作に置いておくよりは、この棚にある方が通路までの障害物が少なくなると思ったためだ。同様に、D01NXは付属する外部アンテナをその棚に置いて計測している。

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 ここでもD01NXがピーク、平均速度ともに若干上回った。棚の上に置いた計測は双方、よりよい結果になった。加えて、H11Tを縦に置くと数値がさらに向上した。電波状況が悪い場所では、このようなちょっとした工夫も少しは効果があるようだ。

 同じ場所で、同様の条件下では、少なくともD01NXがH11Tの受信速度をやや上回った。大ざっぱな比較なので断定できるほどの大きな差は出ていないが、そもそもD01NXがイー・モバイルのデータ通信専用端末の中で感度性能の高い端末でないことを勘案すると、H11Tをモデムとして利用した場合の通信速度はデータ通信専用端末と比べると少々見劣りすると言えそうだ。

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