ソニーら、「TransferJet」の相互接続を目指すコンソーシアム設立
ソニーを始めとする15社は7月17日、最大560Mbpsでの高速データ転送が可能な無線技術「TransferJet」の相互接続仕様を決めるコンソーシアムを設立すると発表した。
ソニー、キヤノン、米Eastman Kodak、日立製作所、日本ビクター、KDDI、ケンウッド、パナソニック、ニコン、オリンパスイメージング、パイオニア、韓Samsung電子、セイコーエプソン、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ、東芝の15社が7月17日、最大560Mbpsで高速データ通信が可能な近接無線転送技術「TransferJet」の相互接続仕様を策定するコンソーシアムを設立すると発表した。
TransferJetは、複雑な接続設定などをすることなく、通信したい機器同士を直接かざしてデータのやり取りを行う無線通信技術。無線LANのようなアクセスポイントなども不要で、例えばデジタルカメラをテレビにかざすと静止画を画面に表示したり、携帯電話をオーディオ機器にかざして音楽ファイルを転送するといった使い方が可能になる。
コンソーシアムでは、このTransferJet搭載機器が相互接続性を確保するための規格やガイドラインの策定、ライセンス体系の確立、ロゴマークの運営管理などを行う計画で、写真を簡単にプリンタに転送できる「PictBridge」のような運用が行われるもよう。
現在、こうしたデータの転送には主に無線LANやBluetooth、USB接続などが用いられているが、TransferJetならより簡単に高速な通信が可能になる。HD画質の映像を転送することも考慮されており、今後家電やカメラへの搭載が進みそうだ。また主要な家電メーカー、カメラメーカー、携帯電話メーカーに加え、KDDIがコンソーシアムに加わったことで、具体的に国内の携帯電話で利用することも視野に入れた仕様策定が行われるものと予想される。
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