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低消費電力と高パフォーマンスの両立 「Snapdragon」の開発思想まもなく次世代Snapdragon登場(2/2 ページ)

世界のスマートデバイスが採用するQualcommの高性能プロセッサー「Snapdragon」は、高い処理能力を持ちながらも消費電力が低いという特徴を持つ。その性能の裏には、Qualcommが考える、スマートデバイスのあるべき姿の追求があった。

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製品に合わせて選べる幅広いラインアップを提供

 “ユーザーが快適に使える”スマートフォンを実現するためのSnapdragonは、急速に普及が進み、さまざまなバリエーションが登場しているスマートフォン市場に対応するため、1種類ではなく、複数のラインアップを擁するのも競合他社に対する優位点だとレイデンリー氏は指摘する。現在Snapdragonの名を冠するプロセッサーは、Snapdragon S1、Snapdragon S2、Snapdragon S3、Snapdragon S4 Pro、Snapdragon S4 Plus、Snapdragon S4 Playという多様な選択肢を用意しており、端末メーカーは製品の価格帯に合わせたプロセッサーが選べる。


Snapdragonのロードマップ。すでに多数の製品ラインアップが用意されている

 すでにLTE対応のモデムは第3世代の「MDM9225」「MDM9625」が発表済み。LTE category 4(下り最大150Mbps)に対応するほか、複数の周波数帯をまとめて利用できる「Carrier Aggregation」などもサポートする製品で、すでにサンプル出荷は始まっている。おそらくこのモデムを組み込み、さらに次世代のCPUマイクロアーキテクチャと次世代のAdreno GPUを搭載する新しいSnapdragonも、まもなく発表される見通しだ。


次世代のCPUマイクロアーキテクチャ、次世代のAdreno GPU、最新の第3世代LTEモデムを搭載した新モデルがまもなく発表される

Qualcommでは、Snapdragonを搭載したタブレット端末やスマートフォンのリファレンスモデルを用いてさまざまなデモも見ることができた
クアッドコアのSnapdragonで、非対象マルチプロセッシングを行っている様子を見せるデモ。左は、コアの数を切り替えることで画像の解像度や動きなどが変わるのが確認できた。中央と右は、1つのコアに1つのタスクを割り当てて、それぞれを独立して処理するデモ。映像の再生を止めるとクロックが落ち、再生しているコアだけが1GHz以上のクロックで動作しているのが分かる
Snapdragonを搭載したセットトップボックス(STB)と、連携するスマートフォンでコンテンツを楽しむ様子を見せるデモ。スマートフォンとSTBは「AllJoyn」という技術で簡単に接続される
カメラでユーザーを認識すると、自動的にログオンする機能を用意する。テレビとタブレットを連携させ、テレビで表示している映像と関連する広告をタブレット側に表示するといった機能も研究されている
タブレットの映像を、Wi-Fi Direct機能を用いて、HDMI端子に接続されたドングル経由でテレビに映し出すデモ
Snapdragonの高い処理能力を生かし、3D映像を裸眼立体視が可能なディスプレイに映し出すデモも実施

映像の見た目の品質を保ちながら、ビットレートをほぼ半分に下げられる「H.265」のデモ。次世代のSnapdragonはH.265のデコーダーを搭載する計画があり、世界の通信事業者が注目しているという
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