長文入力には欠かせない!――Bluetoothキーボードはこう選べ Android編:ビジネスタブレットのお供に(3/3 ページ)
前編のiOS編に続き、後編ではAndroid編をお届けする。市販のBluetoothキーボード6モデルについて、キー配列やペアリングの上限台数、持ち運びやすさなどを検証した。
マウスもあればPC同然?
実際のところ、Android端末のキーボード入力はどれくらい快適なのか。Android 4.4をインストールしたNexus 7(2012年版)で試してみた。日本語入力システムは標準搭載の「iWnn」を選択。アプリは「Google Keep」を使った。
入力時の操作感は、Windows PCほぼそのままだ。上下左右のカーソル移動、Shiftキーとカーソルキーの組み合わせによる範囲指定、Ctrlキーを使ったカット&ペーストは当然サポートする。個人的には一番ありがたかったのが、漢字変換中にF6~F10キーによる変換が実行できたこと。例えば「Bluetooth」と入力したいときに漢字入力がオンのままだと「bぅえとおth」となってしまうが、F10キーを数回押せば、タイプをやり直すことなく本来の「Bluetooth」に変換できる。
とはいえ、特殊記号などの入力には制限がある。このあたりの情報はリュウドが自社製品利用者向けに公開しているサポート情報ページが参考になる。別機種を利用している場合にも役立つ情報が掲載されている。
アプリによっては、Tabキーを使った項目間移動も行える。Google Keepならタイトル入力エリアと本文入力エリアの間をTabキーの1回押しだけで移動できる。さらに言えば、画面上部の特殊メニューをTabキーで選択し、Enterキーで実行することすら可能だ。このあたりはまさに、Androidならではの優位性といえるだろう。
ただ、Tabキーによるメニュー間移動は、アプリの作り込みにも相当依存するようだ。Google製以外のアプリでは、あまり機能する場面がなかった。
また、Bluetoothキーボードを接続するなら、Bluetoothマウスも用意するとさらに利便性が高まる。操作感はさらにWindowsに近くなり、タッチパネルに触れることなく、ホームボタンやバックキーをマウスでクリックしてアプリ間を行き来できるのはかなり便利だ。スクロールホイールも、ホーム画面やブラウザで機能する(アプリによっては機能しないこともある)。唯一、ピンチイン/ピンチアウトに相当するマウス操作は見つからなかった。
キーボードに何を求めるかで“最適な1台”は変わる
Androidキーボードの使用感を見てきたが、Windowsに近い操作感を実現している一方で、日本語配列で利用するのにアプリのインストールが必要であるなど、いくつかの制限もあった。Bluetoothキーボードを取り巻く状況は日進月歩といったところだ。
Android用Bluetoothキーボードを選ぶ際の決定打は何かといえば、キー入力のしやすさをはじめとする操作感全般だろう。ただ、恐らく万人が満足する量産型Bluetoothキーボードはない。スペックのどの部分を重視するかで、結論は変わるだろう。
ただ、日本語配列キーボードはWindows端末との相性がよく、Android用に買って、Windowsでも流用したいというニーズはかなり多いはずだ。そうなると、ペアリング台数が2台以上の機種が上位候補になってくるだろう。
この点を踏まえて選ぶなら、ロジクールのK810、リュウドのRBK-3000BTがおすすめだ。ただし、この2機種も個人的には完ぺきとは言えず、特にF1~F12キー入力がFnキー同時押しタイプである点には不満が残る。
すでに紹介したように、Android端末ではF1~F12キーが機能する場面があり、Windowsで使うならこのキーを使ったショートカットは山ほどある。F2でファイルをリネームしたり、Alt+F4でアプリを閉じたりしたいのだ。
このように、Bluetoothキーボード選びは「複数OSでの使い回し」という要素が絡むと、とにかく複雑になる。その上、「Enterキーの直上にBackSpaceがないとイヤだ」「カーソルキー4つが横1列に並んでいるなんて信じられない」「なんで一番左下にFnがあるんだよ! そこはCtrlだろ!」といったような、日ごろ慣れた指使いも関係してくる。
一眼レフのレンズを収集し始めると止まらなくなる“レンズ沼”ではないが、“Bluetoothキーボード沼”も実は広くて深い。不断の追求が今後も必要となりそうだ。
関連記事
- 「ビジネスタブレットのお供に」記事一覧
一度ハマるとやめられない人間工学キーボード+マウス――「Sculpt Ergonomic Desktop」
ユーザーに身近なキーボードとマウスは、星の数ほど発売されている。その中から、気になる一品を360度チェックする本連載。今回はエルゴノミクスデザインを採用したキーボードとマウスを紹介する。出先の“バッテリー切れ”で泣かないために――タブレット向け大容量モバイルバッテリー、4種を試す
通勤電車の車内、仕事中、昼休み、仕事帰りの飲み屋探し……。さまざまな場所でタブレットを使うようになると、バッテリー切れが気になってくる。タブレットと一緒に持ち歩くと便利なグッズを紹介する新連載の第1回では、電源のない場所でタブレットを充電するのに欠かせない「モバイルバッテリー」4種類を使い比べてみた。悪いことは言わん、泊まりなら持ってけ――タブレット出張族のお供に「小型Wi-Fiルータ」
出張先のホテルが有線LANのみで、タブレットやノートPCが使えない! こんな危機を救ってくれるのが「小型Wi-Fiルータ」だ。今回は出張用小型ルータ4種をピックアップし、機能の違いと選び方のポイントをご紹介する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.