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SIMフリー市場で注目のZTE、本社で見た日本向け製品の品質に対するこだわり(1/2 ページ)

ZTEは日本向け製品の品質向上にどのような取り組みを行っているのか。中国・深セン市にある本社を訪れ、同社のこだわりを確認した。

 新しいフラグシップモデル「AXON 7」を発表し、日本市場に注力する姿勢を見せるZTE。そのZTEは、スマートフォンをはじめとした通信端末を日本に供給する上で、どのような取り組みを行っているのだろうか。中国・深セン市にあるZTE本社を訪れ、同社のこだわりを確認した。


中国・深センにあるZTEの本社

「AXON 7」

端末からインフラまで幅広く手掛けるZTE

 最近は日本でもSIMロックフリースマホを提供するメーカーとして、注目されるようになったZTE。もともとは基地局などの通信機器を提供する企業だったのだが、現在はスマホなどの通信端末にも力を入れ、世界的に存在感を高めている。

 日本への参入は意外と古く、2008年に日本通信へ3G対応USBデータ端末を供給したのを皮切りに、端末メーカーとして日本市場への本格進出を果たした。その後ZTEは、ソフトバンク向けを中心に、スマートフォンフォンだけでなく子供向け端末やシニア向け携帯電話、モバイルWi-Fiルーターなどさまざまな機種を日本市場に投入。最近では日本を重点的に力を入れる市場として位置付け、KDDI(au)にも端末を供給するなど、日本市場の開拓を加速させている。

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2010年に発売した3G対応のUSBデータ端末「b-mobile Doccica hours150」

2008年に発売したZTE初の日本向け端末「b-mobile3G hours150」

 だがZTEはこれまで、キャリアの主力商品となるハイエンドスマホを日本では提供してこなかったことから、どちらかというと裏方としてのイメージが強かったのも事実。そこで、ZTE本社を取材した内容から、同社の事業と日本市場に向けた取り組みについて紹介していこう。

 ZTEの本社は中国・深セン市の中でも、IT関連企業が多くそろう南山区に位置している。ここにはZTEの本社機能のほか、端末の製造工場など、多くの施設が置かれている。

 本社内にあるショールームでは、同社の事業内容を紹介。先に触れた通り、ZTEはもともと基地局などの通信機器を手掛けるメーカーだけあって、次世代通信の5Gに向けた取り組みなど、同社が手掛けているさまざまな技術を見ることができた。

 またインフラに関する技術を持つことから、スマートシティーに関しても積極的に取り組んでいるとのこと。既に同社のLTE網を使ったシステムが、中国の一部都市などで実用化されているとのことで、ZTEがインフラ面でも大きな存在感を発揮していることが分かる。


ZTE本社のショールームにはインフラやスマートシティーなど、同社のさまざまな技術を展示

 こうした中で注目なのは、やはりスマートフォンなどの端末であろう。ショールームには同社がこれまで発売した携帯電話端末のほか、「AXON」「BLADE」ブランドの最新スマートフォン、そして日本では見ることのできない「Nubia」シリーズの端末なども見ることができた。

 NubiaシリーズはZTEが別会社として展開しているブランドであり、デザインやカメラなどに注力することで他のZTEのシリーズとは異なる方向性を打ち出し、若い世代などにアピールしている。例えば「Nubia Z9」は2.5Dガラスを用いた超狭額縁デザイン、「Nubia Z11 mini」は画面の動きを動画として保存できる「スクリーンレコード」など、独自性の高い機能を備えた。


Nubiaシリーズのフラグシップモデル「Nubia Z9」。2.5Dガラスを用いたベゼル幅の狭さが目を引くなど、デザイン性が大きな特徴となっている

最新モデルの「Nubia Z11 mini」。性能的にはミドルハイクラスだが、スマートフォン上の操作をそのまま動画として保存できるスクリーンレコードなど特徴ある機能を搭載した
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