「従業員満足度」「シナジー」「外国人スタッフ」 携帯ショップで業績を上げる工夫:ワイヤレスジャパン 2018(2/3 ページ)
「ワイヤレスジャパン2018」で「携帯電話販売代理店向けビジネスセミナー」が開催。近年、さまざまな業界で人手不足が問題視されているが、携帯電話販売代理店も例外ではない。どのように優秀な人材を確保して業績を上げているのだろうか。
多様な事業展開でケータイ販売とのシナジーを追求
ソフトバンクショップ14店舗を運営するアースモバイルの辻尾吉厚社長は、「持続可能な(サステナブル)人材活用を目指して」と題して講演し、グループ会社が多様な事業展開を行って、ケータイ販売とのシナジーを追求している取り組みについて紹介した。
アースモバイルは、日本テレメックスのグループ会社。MNP導入で携帯電話業界が揺れ動いた頃、1つの事業だけでは会社が安定しないという考えから多角化を進め、現在グループ内には、不動産事業、携帯基地局の企画・設計・施工事業などを行うコンストラクション事業、基地局などから生まれる鋼材の国内販売と輸出入事業を行うメタル事業、無添加ドーナツの製造・販売を行うフード事業、ゴルフスクール事業を行う複数の関連会社がある。
代理店スタッフに継続的に働いてもらうには、職場の環境を整備することと、キャリアパスを描けるようにすることの2つが重要だと辻尾氏は考えているが、多様な事業展開によって、社員が長く働ける場を提供することになった。
それぞれの事業が互いに連携することで、シナジーも生まれているという。例えば、1つの携帯電話ショップを作る際に、不動産事業会社が土地、メタル事業会社が鋼材を用意し、コンストラクション事業会社がネットワーク環境を構築。そこに携帯電話ショップが入り、場合によってはカフェを併設。さらに、店舗の2階でゴルフスクールを開校するといった、ユニークな携帯電話ショップの実現が可能になっている。また、顧客を互いに送客する流れも生まれている。
労働環境整備の面では、ショップスタッフが会社の幹部と直接メッセージのやりとりができる「心友便」という仕組みを設けている他、評価プロセスの透明化にも取り組んだ。また、ソフトバンクと相談の上、定休日や時短営業を導入している。時短営業を導入した際、1年目はやはり利益が落ち、お客さんからの不満も多かったという。しかし「2年目には受け入れられた」(辻尾氏)。
おしゃれなショップ、働きやすい環境を提供することで、「スタッフがかっこいいと思える仕事、楽しいと思える仕事」にすることが重要と辻尾氏。起業プログラムなども用意しており、「夢の後押しをしていきたい」と締めくくった。
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