“全部入り”スマホ「ZenFone 6」開発ストーリー 「万人向けの電話機を作りたいわけではない」(1/3 ページ)
ASUSの新たなフラグシップスマホ「ZenFone 6」は、フリップ式のカメラを搭載した、意欲的なモデルだ。単にスペックが高いだけでなく、他のハイエンド機では省かれがちな仕様もきっちりサポートしている。そんなZenFone 6の狙いについて、ASUS本社で聞いた。
ASUSの新たなフラグシップスマホ「ZenFone 6」は、フリップ式のカメラを搭載した、意欲的なモデルだ。狭額縁の6.4型ディスプレイにはノッチがなく、92%の画面占有率を実現。Snapdragon 855や5000mAhの大容量バッテリーなど高いスペックはもちろん、DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)+microSDのトリプルスロットや3.5mmイヤフォンジャックなど、他のハイエンド機では省かれがちな仕様もきっちりサポートしている。
「ZenFone 6」。フリップ式のカメラを搭載したことで、ノッチのないスッキリとしたデザインを実現した。ディスプレイは6.4型フルHD+、カメラは標準+超広角の2眼。5000mAhという大容量のバッテリーも特徴だ
そんな“全部入り”ともいえるZenFone 6は、どのようなコンセプトで完成したのか。5月のバレンシアで行われた発表会に先立って、台北のASUS本社で報道関係者向けに説明会が開催された。その際、Global Technical PR DirectorのChih-Hao Kung氏に、グループインタビューという形でお話をうかがった。
ZenFone 6はASUSらしい製品
―― なぜバレンシアで発表会を行うことにしたのですか?
Kung氏 「MWC19 Barcelona」には間に合わず、発表しませんでした。「COMPUTEX TAIPEI」で発表しなかったのは、COMPUTEXが伝統的にPCの展示会だからです。
また、今回のZenFone 6は非常に特別なものなので、私たちは独自のイベントを開催したいと思いました。COMPUTEXでももちろん、ASUSは毎年大きなプレゼンテーションをやってきましたが、違ったところで発表会をしたいと思ったときに、バレンシアを選びました。
なぜバレンシアかというと、ほとんどの会社がバルセロナやニューヨーク、パリ、香港などでローンチイベントを開催しますが、バレンシアは非常にすてきな文化的な街で、他の街とは違うからです。バルセロナもニューヨークも非常に美しい街ですが、まだ私たちが経験していない場所で開催したかったのです。バレンシアは気候がよく、食べ物もおいしいし、風景も美しい。何か違った経験をするのに素晴らしい場所です。
―― バレンシアのローンチイベントも、今回のように事前説明会を開催することも、ZenFone 6はこれまで以上に全てが特別だと思えます。なぜZenFone 6はそこまで特別なのですか?
Kung氏 幾つか理由があります。ZenFone 6をデザインしたとき、われわれのスローガンが反映されていて、これまでとは違うものを作ったと思いました。この製品のユニークな部分を見てもらいたいと思いました。これまでのZenFoneシリーズの端末もいい端末ですが、ZenFone 6は本当にASUSらしい、非常にユニークな製品だということを伝えたかったのです。
私たちのPCにも、非常にユニークなもの、特殊なものがあります。ZenFone 6にもこのような感覚を持たせたいと思っていました。そこで、非常に難しいのですが、他とまったく違うものをデザインしました。
私たちにとっても日本は大きな市場で、重要な存在です。バレンシアの発表の前、余裕のあるうちに端末に触っていただいて、理解していただきたかったというのが説明会の目的です。また、みなさんからのフィードバックもいただきたいと思いました。
―― ZenFone 6のプロジェクトが始まったのはいつですか?
Kung氏 昨年(2018年)の夏からです。「ZenFone 5」がローンチした数カ月後からですね。スマートフォンをはじめとしてプロダクトの開発プロセスは、そのプロダクトにもよりますが、デザインプロセスなどにかける時間が6カ月から12カ月くらいまで必要です。
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