5Gは400万契約を超えて「普及期に」 ドコモ夏商戦発表会で語られたこと(1/3 ページ)
NTTドコモが5月19日、2021年夏の新サービスと新製品を発表した。5Gの契約者数は400万を超え、「本格的な普及期に入った」と井伊社長は話す。ユーザー一人一人の声に耳を傾け、発表会のテーマを「5G for individuals」とした。
NTTドコモが5月19日、2021年夏の新サービスと新製品を発表した。井伊基之社長が2020年9月の社長交代時に「新しいドコモを創業する」と宣言してから約半年。この間に行った、ahamoをはじめとした新料金プランの導入、eスポーツリーグ「X-MOMENT」の設立、世界最先端の5G技術を導入する愛知県の新アリーナ運営への参画、オープンRANの海外展開を目的とした「5GオープンRANエコシステム」の協創を振り返った。
5Gの契約者数は400万を超え、「本格的な普及期に入った」と同氏。5G専用の周波数で提供している「瞬速5G」のエリア展開については、2021年3月末で7000局、574都市への提供を達成したとアピールした。2022年3月末には2万局を建設する予定だが、「順調に進んでいる」とのこと。今後も5Gエリア拡大を進め、2024年3月には人口カバー率80%を目指す。また、2021年度の第3四半期にはコアネットワークまで5G化されるSA(スタンドアロン)技術を導入するとしている。
5Gの活用やリモート型社会へのシフトをリードするために、「ドコモはイノベーティブなサービスやデバイスを提供していきたい」と語った。5GやXRなどの技術を活用して、映像配信やエンターテインメントをパートナー企業とともに提案していくという。
コンシューマー向けサービスについては、「(ユーザー)一人一人の声に耳を傾ける」という思いから、今回の発表会のテーマを「5G for individuals(インディビジュアルズ:個々の人)」と説明。「ドコモの5Gユーザー一人一人に真摯(しんし)に向き合い、ユーザーが好きなものを思いっきり楽しんでいただけるデバイス、サービスを提供していく」と意気込みを語った。
その後、各サービスの担当者が発表内容をプレゼンテーションした。ahamoの発表会でもそうだったが、若手の担当者が登壇し、コンシューマー向け5Gサービスを積極的に使っていくであろう若者層を意識した内容、演出になっていた。
5Gらしさを体験できる3つの取り組み
まずは、5Gらしさを体験できるeスポーツ、VR、音楽ライブについての3つの取り組みが紹介された。
ドコモは2021年1月にeスポーツのブランド「X-MOMENT」を設立したが、その中の新しいラインアップとしてカプコンと対戦格闘ゲーム 「ストリートファイターV チャンピオンエディション」を活用した「ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2021」を共同開催する。
カプコンの辻本春弘社長が登壇し、「ドコモの先進性とカプコンのエンターテインメント性を組み合わせることで、より熱狂的に新たな視聴体験ができるeスポーツリーグへと育てていきたい」と意気込みを語った。
また、ドコモの開発担当者は「eスポーツでは、試合の様子と選手の表情をセットで見たいというニーズが高い。プレイ画面だけでは分からないリアルな駆け引きを見るのも楽しみの1つになっている」と説明し、新しい取り組みとして、オンライン対戦時の選手映像を5Gで配信することを紹介した。
ストリートファイターリーグは、2018年から続く6チームによるリーグ戦の大会だったが、新たなリーグでは規模を拡大し8チームに。試合数も56試合に増え、全試合がライブ中継される。X-MOMENTで導入しているチームオーナー制を採用。各企業がチームオーナーとしてリーグに参画し、選手をサポートする。
VRの取り組みとしては、ウォルト・ディズニー・ジャパンとコラボレーションして提供するVR体験「WHAT IS LOVE? ディズニープリンセス展 VR」紹介した。6月23日から東京・渋谷マルイで開催される展示会「WHAT IS LOVE?~輝くヒミツは、プリンセスの世界に。~」をVRコンテンツ化し、もう1つのディズニープリンセス展として開催するものだ。
ディズニープリンセス展 VRでは、奥行きのある広大なVR空間が構築され、VRゴーグルを装着した最大4人が等身大のアバターを通じて、15分程度、それぞれ異なる体験ができる。VR空間内で歩き回れるのはもちろん、アバター同士でコミュニケーションしたり、ディズニープリンセス展にちなんだグッズを購入したりできる。
3つ目に紹介されたのが音楽に関する取り組み。dTVに新たに加わるライブジャンルと、ドコモがTHECOO(ザクー)と業務提携して新たに始めるライブ配信事業だ。
「新体感ライブCONNECT」の終了が発表されたが、dTVの映画やドラマ、アニメといった従来のメニューに有料ライブを加え、アプリを1本化し、より充実した音楽体験を提供する。例えば、ライブの前にはミュージックビデオや過去ライブ映像を見て予習ができ、ライブ当日は有料ライブ、ライブの後は見逃し配信で好きなシーンを繰り返し見たり、特典映像を楽しめたりできる。さまざまなアーティストが登場する独占ライブや、エンタメ情報を提供するオリジナルコンテンツも配信するという。
dTVで有料ライブが決定した2組のアーティストも発表された。6月19日には、HKT48 宮脇咲良さんの卒業コンサートを配信。また、5月29日と6月29日にGLAYのライブが2公演連続配信される。ライブはdTVで国内独占配信され、見逃し配信では宮脇咲良さんの推しカメラ映像も楽しめる。
新たなライブ配信事業は、THECOOが運営するスタジオ「BLACKBOX3(ブラックボックス)」が拠点。このスタジオは、オンラインライブならではの演出ができる大型4面LEDパネルとメディアサーバが常設された配信スタジオで、カメラ位置の変化に応じて映像が変化する演出や、LEDに映し出された視聴者とコミュニケーションを取る演出が可能になるという。
アーティストは、dTVとTHECOOの配信プラットフォーム「Cassette(カセット)」でライブ配信することで、このスタジオを無料で利用できる。スタジオは2021年度中に5Gエリア化も予定している。
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