IIJmio「ギガプラン」を8カ月使ってみた 通信品質はどう? どんな人にオススメ?(1/2 ページ)
MVNOサービス「IIJmio」の「ギガプラン」を契約しました。格安SIMを検討している方、かつ「IIJmioのギガプラン」を検討している方向けに、IIJmioギガプランを契約して満足した点・不満を覚えた点をまとめていきます。通信速度や通話料金、向いている人などについて検証しました。
2021年の携帯業界は、NTTドコモのahamo、au(KDDI)のpovo、ソフトバンクのLINEMO、楽天モバイルのRakuten UN-LIMIT VIが登場、そしてUQ mobile、Y!mobileなどの「サブブランド」の料金プランの値下げがありました。
これらの影響を受けてか、もともと料金が安かった格安SIM業界でもさらなる値下げが起こっています。このような動きは私たち消費者からすれば選択肢が増えてうれしくなる反面、「どの携帯会社、格安SIM会社を選べばいいのか分からない」といったジレンマに陥るといった側面もあります。
そんな状況下で、筆者はIIJ(インターネットイニシアティブ)が提供している「IIJmio」の「ギガプラン」を契約しました。IIJmioの音声SIMとeSIMをiPhone SE(第2世代)にて数カ月使っています。eSIMはデータ通信専用、5G非対応、タイプD(ドコモ回線)のみ。
格安SIMを検討している方、かつ「IIJmioのギガプラン」を検討している方向けに、IIJmioギガプランを契約して満足した点・不満を覚えた点をまとめていきます。記事内の料金表記は全て税込みです。
IIJmioギガプランを選んだ理由
筆者は2021年以前、格安SIM(MVNO)を利用したことがありませんでした。Y!mobileや楽天モバイルを使っており、おおむねサービス内容や料金に満足していたため、あえて格安SIMを利用したいと思わなかったからです。
しかし2021年2月に発表された「月額440円で2GBまで使える」IIJmioギガプランeSIM版の安さに衝撃を受けました。通常のデータSIMは2GBで748円ですが、eSIMなら同じ2GBでもさらに308円安いのです。ギガプランのeSIMはデータ専用ということもあって、サブ回線として使うのにも適しています。筆者はギガプラン登場前のデータ通信専用eSIMプランである「ライトスタートプラン(eSIMベータ版)」を契約し、4月のギガプラン提供開始に合わせてギガプランに変更しました。
データ容量を最小の2GBにとどめたのは、ギガプランの登場に驚きを感じた一方、「IIJmioの」というよりも「格安SIM全般の」通信品質には懐疑的で、「通信品質がよくなかったら解約しよう」とも思っていたからです。
通信品質はおおむね満足しているが、平日昼間はやはり遅い
しかし、筆者の予想に反して、IIJmioギガプランのダウンロード速度は20~30Mbpsに達し、平日昼間を除けば動画のストリーミングも快適に視聴できました。
2021年5月から、筆者のiPhoneはIIJmioギガプラン(eSIM)でデータ通信、楽天モバイル(物理SIM)で音声通話を利用しています。
契約当初、「通信速度は数Mbps出ればいいかな」と思いながらIIJmioの通信速度を計測したところ、筆者の予想に反して、下り(ダウンロード)速度は30Mbps程度まで到達。サーバとの応答速度である「Ping値」も30~50ms以下と悪くはありませんでした。
さすがに5G対応スマホ、5Gエリアで見られる下り数百Mbpsとまではいきませんが、瞬間最大風速的に80Mbps付近まで下り速度が到達するときもあります。ただし、日中昼時と夕方は通信速度の低下が見られました。
もちろん、数十Mbps程度の通信速度があれば、ネット閲覧もYouTubeの視聴も全く問題ありません。IIJmioギガプランは2GBか4GBの「小容量帯」の月額料金の安さに注目されがちですが、eSIMであれば20GBのデータ容量でも月額1650円で済み、20GB付近の料金プランも大手通信キャリアやサブブランドのプランにも引けを取りません。さらに余ったデータ量は翌月までくりこして使うこともできます。
ですので、IIJmioギガプランは「ネット閲覧だけでなく、動画視聴もある程度したい」という方のニーズに対しても柔軟に対応できるでしょう。
一方、少し不満に思っている点は、平日昼間の通信速度が速かったり、遅かったりするところです。ある程度予想していましたが、平日昼間の通信速度はいまひとつです。正確に言ったら、日によっては平日昼間でも下り速度70Mbps程度の通信速度がでる一方、「出ても下り速度1Mbpsがやっと」という日が多かったのです。
電波の強度や通信速度というものは時間帯や場所に影響を受けるため、ひとくくりに「良い・悪い」と判断することはできません。しかし、ahamo、UQ mobile(くりこしプラン)、Y!mobile(シンプルS/M/L)も筆者は利用したことがありますが、これらのプランは大手キャリアのネットワークをそのまま用いているため、「平日昼間に著しく速度が低下する」といったことはありませんでした。覚悟はしていましたが、通信品質は大手キャリに比べてバラツキがあるといえます。
通話料金が安くなった
IIJmioのメリットとして、通話料金が安いことも挙げられます。
IIJmioギガプランの通話料金は30秒あたり11円(税込)です。これはNTTドコモ、au、ソフトバンクなどの大手通信キャリア、ワイモバイル、UQ mobileなどのサブブランドの主要プランの通話料金の半額です。どの携帯電話会社を利用している方でも、通話をほとんどしない方以外であれば、通話料金を抑えるためには「10分以内の通話かけ放題」などの定額オプションを申し込むのが一般的です。
しかし、「通話はするけど、月に数分程度。それも数えるぐらいしか通話しない」という方であれば、別料金を払って通話オプションをつけるのももったいない話です。
また、多くの格安SIMサービスでは、各MVNOが提供している通話アプリを使って通話料金を下げるという方法もありますが、デフォルトの通話アプリに慣れてしまっていると、面倒に感じる人も多いでしょう。
IIJmioギガプランではかけ放題オプションなし、MVNOが提供するアプリの利用なしで、大手通信キャリアの通話料金の半額まで通話料金を抑えることができます。通話品質も問題ありません。ただし「5分かけ放題通話」などの通話定額を利用する場合は、IIJmio提供の「みおふぉんダイアル」というアプリを利用する必要があります。
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